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2008年10月18日(土) 20時23分

「選挙日程早く決めて」 事務所費かさみ悩む陣営産経新聞

 「11月30日投開票」の日程が急浮上してきた次期衆院選。浮かんでは消える日程を尻目に、解散・総選挙を見越して立候補の準備を進めている陣営が“事務所問題”に悩まされている。早々に選挙用の事務所を確保したものの、家賃だけを支払っているケースやいったん事務所を決めたが、当初予想の10月中の選挙がはずれ、別の場所を探す羽目になった陣営もある。いまだ定まらない日程に、陣営関係者からは「一刻も早く決めてほしい」との声が上がっている。

 ■のしかかる家賃

 「選挙が延びれば政策を訴える時間も増えるのでプラスに考えたいが、お金の面では選挙は11月中にしてほしい」

 京都4区の共産新人、吉田幸一氏(34)の桑原剛史選対本部長はぼやく。同陣営は10月26日の選挙を念頭に9月下旬、京都市右京区のマンション1階に選挙対策事務所を借り、今月8日には事務所開きも済ませた。しかし、家賃がかさむ一方で、資金的なリミットが近いという。

 また兵庫1区の民主新人、井戸正枝氏(42)も公認内定後の10月1日、2カ月間の契約で神戸市中央区の県庁近くに選挙事務所用に3階建てのビルを借りた。当時は「10月3日解散」といわれていた時期。2カ月分の家賃64万円を支払い、机やいすなどをレンタルして準備を整えたが、井戸氏は「12月以降に延びたときの援助を党などにお願いしている」と話す。

 ■「事務所難民」

 「10月26日投開票」を想定し、滋賀県長浜市内に10月初めから選対事務所を構えた滋賀2区の自民現職、藤井勇治氏(58)。次の借り主が決まっているため、11月下旬選挙となれば、別の事務所を探して移転しなければならない。陣営関係者は「せっかく臨戦態勢を取ったが、今後どうなるか…」と困惑する。

 奈良1区の無所属元職、森岡正宏氏(65)も早々の選挙予想が裏目に出た。9月の福田康夫前首相の辞任表明後、「選挙は近い」とにらみ、奈良市内の国道24号沿いにある書店跡地の建物を仮押さえした。しかし、11月中ごろにコンビニに改装されることになり、今月上旬、泣く泣く仮押さえを解いた。今度は国道369号沿いの物件を仮押さえしたが、ここも長くは仮押さえできない。

 ■長期戦も覚悟

 国会と地元を行き来する日々が続く大阪9区の自民現職、原田憲治氏(60)の陣営は今月上旬、茨木市内の駅前に事務所を構えたが、盛り上がらない機運にやきもきする。藤木正男秘書は「有権者には『まだはやい』とその気になってもらえない」と心配する。

 和歌山1区の自民現職、谷本龍哉氏(41)の陣営は、和歌山市内で選挙事務所と駐車場用に約2640平方メートルの土地を借り、プレハブを建設している。貴志治事務局長は「完成した事務所にだれもいない状況は避けたいので、すぐに入らざるを得ない。(解散まで)長期戦になっても、いったん事務所を閉めるわけにはいかないだろう」と“根比べ”の様相だ。

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