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2008年10月18日(土) 19時37分

<野村HD>元リーマン社員を経営幹部登用へ毎日新聞

 野村ホールディングス(HD)は18日、経営破綻(はたん)した米証券大手リーマン・ブラザーズのアジア・太平洋と欧州・中東の両部門の買収で、雇用を引き継いだ元リーマンの社員を、現地法人の執行役員など経営幹部として積極的に登用する方針を明らかにした。金融危機によるリストラで職を失った米国証券会社の社員も有能な人材を積極採用し、海外事業の基盤強化を進める計画だ。

 野村HDは、リーマンの買収で、株式部門や、M&A(企業の合併・買収)を手掛ける投資銀行部門などで働いていた約5100人を引き継いだ。「野村ブランド」の浸透を図るため、リーマンの社名は使用しないが、元社員の幹部登用や、給与体系を大幅に変更しないことで人材流出を防ぐ考えだ。また、米国の証券会社からの採用は、「米国には金融技術が集積しており、人材を活用するメリットがある」(役員)と説明している。

 ただ、移籍した元リーマン社員の人数規模は、野村HDの社員総数の25%強に上る。報酬も日本人社員と比較して高額とされ、人件費の負担が膨らむのは必至。また、一気に人数が拡大することで、社内の融和や法令順守の徹底をいかに進めるかも課題だ。金融危機の深刻化で、M&A市場の低迷長期化も予想され、リーマンの人材やノウハウを生かして収益拡大につなげるには、時間がかかりそうだ。【野原大輔】

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