記事登録
2008年10月18日(土) 15時26分

振り込め詐欺 凍結口座解除狙う 判決書偽造、地裁見破れず 産経新聞

 ■さいたま地裁熊谷支部

 さいたま地裁熊谷支部が偽造判決書に基づく申し立てを見破れず、振り込め詐欺に使われ凍結された銀行口座について、預金引き出しが可能となる差し押さえ命令を出していたことが18日、分かった。詐欺グループが凍結口座の“解除”を狙ったとみられる。

 地裁側は虚偽有印公文書行使容疑で埼玉県警に告発。振り込め詐欺対策が強化される中、犯人側の“対抗策”の一端が浮かび上がった形で、同様の事件が起きる可能性もあることから、最高裁は全国の裁判所に対し、文書で注意喚起した。

 関係者によると、問題の口座は同県熊谷市内の銀行に開設。振り込め詐欺グループが利用していることを突き止めた別の県警が、被害者救済のため今年6月に施行された「振り込め詐欺被害回復分配金支払い法」に基づき、口座の凍結を要請、銀行が応じていた。

 当時の残高は数百万円で、数人から振り込まれていたという。

 ところが最近になって、口座の名義人側に債権があることを示す調書判決を示し、さいたま地裁熊谷支部に預金差し押さえが申し立てられた。

 民事上の調書判決は、被告が争わない場合などに、裁判官が言い渡した主文などを書記官が書き取り、正式な判決書に代わる文書を作る簡易手続き。

 熊谷支部に提出された判決書は、裁判官や書記官の名前が記され、裁判所の偽の公印が押された精巧なつくりで、口座の名義人に「原告」への金銭支払いを命じる内容だった。熊谷支部は、申し立てを受け、差し押さえ命令を出したという。


【関連記事】
「振り込め」阻止22件 集中警戒で
電話で暗証番号聞き出す 新手の詐欺に注意呼びかけ 長野
気をつけて!振り込め詐欺、ATM悪用が圧倒的
ATM振り込め詐欺急減 1年5カ月ぶり1000件切る
「女性妊娠させて旦那にばれた」 息子かたり現金詐取

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081018-00000107-san-soci