記事登録
2008年10月18日(土) 03時04分

新銀行東京の融資、石原伸晃・衆院議員の元秘書が口利き仲介読売新聞

 ブローカーによる仲介ビジネスが判明した新銀行東京(東京都新宿区)の融資に、元自民党政調会長の石原伸晃・衆院議員の元私設秘書(31)がかかわっていたことがわかった。

 当時、現職だった元秘書は、決算書類の改ざんを知った上でブローカーの仲介を引き受け、同党都議に融資の口利きを依頼していた。元秘書が読売新聞の取材に事実関係を認めた。

 融資に国会議員秘書の介在が判明したことは初めてで、不透明な口利きがさらに問題を深めそうだ。

 新銀行の融資を巡っては、都内の不動産管理会社が2006年春ごろ、赤字だったため借入額を減らすなどして決算を良く見せかけた上で、男性ブローカー(56)を経由し、同都議が新銀行側に口利きした事実が判明。500万円の融資を受けることができた同社はブローカーに対し、融資額の5%にあたる25万円を手数料として支払ったこともわかっている。

 元秘書は07年2月まで約3年間、石原伸晃事務所に勤務していた。

 証言によると、元秘書は、融資に先立ち、知人の紹介で知り合ったブローカーから、都内のレストランなどで計2回の接待(約2万円)を受け、新銀行への融資の口利きを依頼された。数日後、元秘書がブローカーの事務所を訪れた際に「改ざんしているから大丈夫」と伝えられ、不動産管理会社を含む計3社分の決算書類を受け取った。

 元秘書はその後、この3社について、都議に新銀行への口利きを依頼したという。このほか、中小企業側からの依頼で、元秘書が都議に頼んだ口利きは少なくとも4社あり、うち菓子販売会社には約1000万円の融資が行われていた。

 ブローカーは「議員の口添えがあれば融資は実行され、依頼先から手数料を得られると思った」と話し、不動産管理会社の役員は決算書類の改ざんの事実を認めている。都議は「取材には、一切答えたくない」としている。

 取材に対し、石原伸晃事務所は「(元秘書は)既に退職しており、口利きなどについては承知していない」と回答した。

 石原議員は、新銀行の設立を発案した石原慎太郎都知事の長男。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081017-00000063-yom-soci