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2008年10月18日(土) 01時19分

衆院選、11月30日か年明けか 早期解散派と慎重派が綱引き産経新聞

 次期衆院選をめぐり、与党内は早期解散派と慎重派に分かれ、激しい綱引きを続けている。早期解散派は「11月18日公示、11月30日投開票」のシナリオで選挙準備を進めるが、慎重派は「早期解散は自殺行為だ」として先送りに向け激しい巻き返し工作を続けている。麻生太郎首相はすでに「銃の引き金に指をかけた」(自民党の古賀誠選対委員長)といわれるが、日増しに悪化する経済情勢をにらみながら逡巡(しゅんじゅん)を続けている。

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 「11月30日投開票」がささやかれ出したのは、東京株式市場が急反発した10月14日。先鞭(せんべん)をつけたのは自民党の最大派閥・町村派だった。町村信孝前官房長官が「なんとなく流れは11月中旬に選挙だという感じはある」と発言。森喜朗元首相も「常識的には11月中に選挙が行われると考えるのが無難だ」とぶち上げた。

 細田博之幹事長も15日に「総選挙近し。ごくわずかの間にあるのではないか」と述べ、早期解散の見通しを示した。さらに細田氏は16日に「解散風を吹かせている細田です。もうじきそういうチャンスが参ります」とあいさつした。

 自民党内に解散を急ぐ動きがあるのは「10月末に2次補正を含めた景気対策プランを示した上で解散を打つのが政権維持のベストシナリオ。先送りは追い込まれるだけだ」(中堅議員)との思いがあるからだ。

 大島理森国対委員長も16日の国対正副会議で「みなさんどうぞ(選挙に向けて)お走りください」と若手・中堅の背中を押した。民主党が補正予算に賛成し、新テロ特措法改正案の審議を妨げないのは早期解散を前提にしているからだ。もし解散を先送りすれば、野党は年明けの通常国会で徹底抗戦に転じ、政府・与党は早晩追い込まれると踏む。

 公明党も来年7月の東京都議選を念頭に年内解散を強く求めている。矢野絢也元委員長らの国会招致など民主党による揺さぶりも公明党を早期解散に走らせる一因となっている。

 一方、総裁選の麻生陣営中枢メンバーは慎重論が大勢だ。急先鋒(きゅうせんぽう)である自民党の菅義偉選対副委員長は「早期解散すれば『政権交代』を掲げる民主党を利するだけだ」と断ずる。11月4日の米大統領選でオバマ候補の優勢が伝えられていることもあり、「さしたる勝算もなく解散を打てば『政権放り出し』と猛批判を浴び、自民党は立ち直れないほどの大敗を喫する」(党幹部)との声もある。

 中川昭一財務相兼金融担当相も「いま政府・与党に求められているのは世界的な経済危機への迅速かつ的確な対応であり、総選挙ではない」と慎重姿勢を崩さない。ねじれ国会で経済政策を遂行するには衆院で与党が3分の2以上を占める現状を失うべきではないとの思いもある。

 菅、中川両氏と甘利明行革担当相は16日夜、都内のホテルで首相と会い、2時間にわたり慎重論を説いた。首相は静かに耳を傾け続け、最後に「ありがとう」と頭を下げたが、本音はついに明かさなかった。

 そして、17日夜。首相は官邸で、自らが支部長を務める自民党福岡県第8選挙区支部が同県飯塚市内にプレハブの選挙事務所を設置していたことについて、記者団から「解散・総選挙が近いと憶測を呼んでいるが…」と質問を受けた。

 だが、首相は「おれは全然知らない。(プレハブは)いつ建てたんだ」「全然、地元に帰っていないから分からない。少なくともおれが指示したわけではない」と語った。

 重い決断の時は刻一刻と迫っている。(石橋文登)

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