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2008年10月18日(土) 21時18分

<補助金>12道府県で不正経理、計5億円 会計検査院調査毎日新聞

 会計検査院が国の補助金について、任意に選んだ12道府県の経理を調べたところ、06年度までの5年間に、すべての道府県で計5億円に上る不正な処理が見つかった。うち1億3000万円と最も多かった愛知県や岩手県では、予算の年度内消化を目的に、物品の発注を装って業者に資金をプールさせる「預け」が常態化していた。いずれも私的流用は確認されていない。

 検査院によると、国土交通省と農林水産省が支出した補助金のうち事務費について調べた。不正経理があったのは北海道、京都府と▽青森▽岩手▽福島▽栃木▽群馬▽長野▽愛知▽岐阜▽和歌山▽大分の各県。検査結果が確定し次第、返還を求める見通し。

 「預け」は、年度内に使い切らなければならない国の補助金が余ってしまった場合、事務用品などの購入を装って金を業者に渡しておく方法。実際に購入した際にプールされた資金から支払うため、年度が変わっても資金を温存できる。愛知、岩手両県はそれぞれ約1800万円の「預け」を運用、全体では約4000万円がこの方法で不正にプールされていた。

 コピー用紙などを買う名目で、実際にはパソコンを購入するような「差し替え」も確認された。より内部チェックが緩い消耗品名目で物品を購入する目的だったとみられる。

 このほか、県単独事業の関連で出張したのに国の補助金から出張旅費を支出▽国の補助事業と関係ないアルバイトの給与を国の補助金から支出−−などがあった。

 検査院は昨年、飲食代や慶弔費などに流用する裏金の存在が発覚した自治体について国庫支出分を調査。長崎、佐賀、大阪の3府県で計約7600万円を確認した。【苅田伸宏】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081018-00000105-mai-soci