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2008年10月17日(金) 16時58分

AMDの3Q決算、8四半期連続の損失も赤字幅は縮小——黒字転換へのカギはチップ製造の分社化Computerworld.jp

 米国AMDは10月16日、2008会計年度第3四半期(7-9月期)の決算を発表した。引き続き損失を計上する一方で、マイクロプロセッサとグラフィックス・チップの販売好調により売上高は14%増加する結果となった。

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 今回の発表によると、同社第3四半期の売上高は17億7,600万ドル(前年同期は15億5,800万ドル)で、純損失は6,700万ドル、1株当たり損失は11セント(前年同期は純損失3億9,600万ドル、1株当たり損失71セント)だった。AMDの損失報告は8四半期連続だが、損失幅は前年より縮小している。

 この純損失は米国会計報告標準(GAAP)ベースの数字であり、非継続事業による損失1億800万ドルやその他の経費が含まれる。そのため、AMDによると、それらを除外した同四半期の純損益は8,000万ドルの純利益になるという。

 売上高の推移で目立ったのはマイクロプロセッサ部門で、売上高は前年同期比8%増の13億9,100万ドルを達成した。さらに、グラフィックス事業の売上高も同40%増の3億8,500万ドルと大きな成長を見せた。

 AMDは先週、チップ製造事業をスピンオフにより別会社化するという損失解消計画を発表した。同社にとってコスト的に大きな負担となっていた自社の製造工場の建設・維持から解放され、それが黒字転換につながるのではないかと、アナリストたちは見ている。今後AMDは、チップの設計と販売のみを行い、その製造は第三者に任せることになる。

(James Niccolai/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)

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