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2008年10月17日(金) 16時17分

「一瞬で立ち上がるWindows」を目指し、マイクロソフトがユーザー意識調査を実施Computerworld.jp

 Windows Vistaの次期クライアントOS、Windows 7では、PCをテレビのように一瞬で起動させる機能が標準で備わるかもしれない。米国Microsoftは10月16日、PCの起動時間を大幅に短縮する「Instant On」機能に関するオンライン・アンケート調査を一部のユーザーに求めたことを認めた。

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 現在、米国の技術系ブログEngadgetに、このアンケート調査の回答フォームの画面ショットが投稿されている。このアンケートについてMicrosoftは、「顧客が関心を持っているコンピュータの機能を把握するために、さまざまなシナリオについての調査を定期的に行っている」と説明するにとどまった。

 また、回答フォームでは、Instant Onを「コンピュータの電源を完全に切らないようにすることで、きわめて短い時間で特定の作業を行える状態にするための機能」と説明されているしているが、詳細を説明できる段階ではないという。しかし、Windows 7にこの機能を搭載するかどうかを検討していることは確かなようだ。Windows 7は、2009年末または2010年初頭にリリースされると見られている。

 Microsoftによると、Instant Onを有効にした状態では、Windowsを使って行える作業やアクセスできるアプリケーションが制限されるとのことで、「Full Windows」状態との違いを明確にしている。

 PCをすばやく起動できるようにするという考え方は決して新しいものではない。ベンダー各社とも、OSに備わる全機能を起動せずに、ユーザーがアクセスできるツールを限定することによって起動時間を短縮する手法を開発してきた。

 米国Dellの場合、「Inspiron」「Latitude」などのノートPCでは、キーボード上部に「Dell MediaDirect」あるいは「Latitude ON」ボタンを設け、インスタント起動機能を提供している。ユーザーはボタンを押すだけで、カレンダーや連絡先情報、インターネットなどの基本的なツールにアクセスできるようになっている。なおMicrosoftも、Dellがこの機能を提供する以前に同様の技術のデモを行っている。

 また米国の新興ソフトウェア・ベンダーであるDeviceVMは、「Splashtop」と呼ばれるアプリケーションを出荷している。これは、PCの起動後数秒でインターネットにアクセスできるようにするもので、すでにASUSTeKやVoodoo PCなどの低価格ノートPCに搭載されている。

 回答フォームを読むと、Instant On有効時はおよそ8秒でPCが起動するものの、可能な操作はWebブラウザ、IM(インスタント・メッセージング)、DVD再生、音楽プレーヤー再生などに限定され、それら以外のデータやアプリケーションにはアクセスできないともようだ。

 また、回答フォームでは、ユーザーがInstant On有効時に使用するであろう機能や、どの程度の時間でOSが起動すればよいと考えているかといったことについても尋ねており、後者の質問については、「2秒以下」から「1〜2分」までの選択肢が並んでいる。

(Elizabeth Montalbano/IDG News Serviceニューヨーク支局)

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