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2008年10月17日(金) 10時41分

Oracleのデータ・ウェアハウス・アプライアンスは大風呂敷?ITmediaエンタープライズ

 ネバダ州ラスベガスで10月13日から開催されている「Teradata PARTNERS 2008」で、TeradataのCTOを務めるスティーブン・ブロブスト氏が日本プレスのインタビューに応じ、Oracleが9月下旬のOracle OpenWorldカンファレンスで発表したデータ・ウェアハウス・アプライアンスは、「マーケティングの人が言うのはいつもマユツバだ。パワポには何でも書ける」とやり込めた。

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 OracleはOracle OpenWorldで、同社初のハードウェア製品、「HP Oracle Exadata Storage Server」と、それを核としたデータ・ウェアハウス・アプライアンス、「HP Oracle Database Machine」を発表し、ラリー・エリソンCEO自ら、TeradataやNetezzaと比較しながら新製品の優位性を訴えていた。

 「Oracleは元々スケールしない。ストレージを幾らスマートにしてもアナリティクス(分析)のエンジンがOracleである以上、限界がある」とブロブスト氏。

 Teradataのアーキテクチャーは、複数のSMPノードを独自の高速インターコネクトを介して接続することで実現している。いわゆる「超並列処理」(MPP:Massive Parallel Processing)と呼ばれるアーキテクチャーで、メモリもディスクもプロセッサが共有しないため、拡張性に優れ、データウェアハウスが大規模になっても性能が落ちないといわれている。これに対して、Oracleは依然として共有ディスク型であり、「Oracleのアーキテクチャーは、MPP Wannabe(MPPになりたがっている)にすぎない」とブロブスト氏は皮肉る。

 「ノイズをつくり、顧客の意思決定を遅らせ、時間を稼ぐのがOracleの狙いだ」(ブロブスト氏)

 ただ、エンジニアのブロブスト氏は、すべての用途にベストな技術や製品はあり得ない、と付け加える。

 「Oracleはオンライントランザクション処理(OLTP)のエンジンとしては非常に優れていてナンバーワンだ。わたしはTeradataのCTOだが、OLTP向けにTeradataは薦めない」(ブロブスト氏)

 両者はオプティマイザーやファイルシステムが異なるし、Teradataにはデータウェアハウスに適した「Teradata Active System Management」(TASM)と呼ばれるユーティリティー群もある。TASMは、多くのユーザーから寄せられるさまざまなリクエストに対して動的に優先順位付けを行い、複雑なワークロード環境のリソース配分を最適化してくれるという。

 「データウェアハウスのエンジンには、ワークロードを管理する機能が欠かせない。TASMのような機能は他社にはない。Oracleとは土俵が違うのだ」(ブロブスト氏)

 Teradata PARTNERS 2008では、データウェアハウス分野でのリードをさらに確固としたものにすべく、「イン・データベース・プロセッシング」の広範な取り組みも明らかにしている。同社は昨年のPARTNERSで統計解析のリーダーであるSAS Instituteとの提携を発表し、マイニングツールをはじめとする同社の分析機能がTeradata上で利用できるよう共同作業を進めている。これにより、データをSASに引き渡して解析し、その結果を取り込むといった一連の処理を大幅に高速化できるという。イン・データベース・プロセッシングの取り組みについては、別記事で詳報する。

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