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2008年10月17日(金) 20時00分

21世紀に世界を制するのはアジア発のサービス?  「Open Web Asia '08」から読み解くWebサービスの近未来MarkeZine

■なぜ欧米企業のアジア進出は難しいのか? 

 10月14日、ソウルにて日本、中国、韓国などからIT関係者があつまりアジアのWebサービスの今後について語るイベント「Open Web Asia '08」が開催され、インターネットサービスの未来についての熱い議論が展開された。

 上海に拠点を持つIT企業のアジア進出サポートや、インキュベーション業務を行うWeb2Asiaの代表、ジョージ・ゴジュラ氏は 「欧米で成功したIT企業がアジアに進出するのは難しいことだ」とまず指摘する。その例として日本、韓国、中国での主要Webサービスの多くが、現地企業のものであるという。

【関連写真】左 ジョージ・ゴジュラ氏 右 リチャード・キンバー氏

 続けてジョージ氏はなぜアジアへの進出が容易できないのかについて10のポイントをあげた。

・アジアへの進出/国際化の王道の戦略は存在しない・アジアに進出するのがあまりにも遅すぎた、のろすぎた・現地部門が裁定権を何も持っていない・不完全なローカル化(翻訳、コンテンツ、価格、ブランド、機能、ビジネスモデルなどにおいて)・現地に開発チームがない・現地マーケットへ迅速な対応ができない・現地よりも高コスト・現地のプレイヤーのほうがより高機能で、より優れたビジネスモデルを持っている・グローバルなコーポレートガイドラインが存在しない・現地特有の法的な問題■世界進出にあたって必要なこと

 続いて、世界進出にあたって必要なことについて主要サービスを運営する各スピーカーが語った。

 トラフィック数で世界3位のSNS『Friendster』のCEO、リチャード・キンバー氏は、FriendSterが東南アジアで特に人気が高いのは偶然だったがインターネットサービスにはよくあることであり「そういった状態に臨機応変に対応するというのが大事」と述べ、そのためには以前に氏が在籍していたGoogleで行われているようなスケールのサービス設計が重要と語った。

 「最初からひとつの国で展開することしか考えていなかったら、いろいろな国で展開できない。いろいろな国で拡大できるような設計をはじめに考えておくことが大事。もちろん、どのサービスも何がユニークであるか、そしてユーザー視点で考えることが大事だが、インターネットの企業は世界のどこでも運営できるから世界的な視点を最初に持つことが非常に重要だ」

 B2Bの世界最大の商材マッチングサービスである『Alibaba.com』のアーサー・チャン氏は「違うマーケットに進出するときはパートナーの選択が重要。香港と台湾には、マーケットに対する理解があったが、他のマーケットに関してはマーケットへの理解がない。パートナーと組むことによって、そのマーケットに関する知識というノウハウが生かせる」と述べ、スペインの中小企業がAlibaba.comによってフランスのクライアントを見つけた事例などを紹介し、今後は中国から海外へ輸出するマッチングだけではなく、海外から中国へと輸入する商品のマッチングを強化していきたいと抱負を語った。

 eBayアジアのヨンセオ・ヤン氏は「国際展開における戦略では何をするかよりも何をしないかということを明確にするのが重要」と、限られたリソースをどのように有効活用するかが国際展開を考える上で不可欠であると述べた。

■イノベーションはアジアで起きている? 

 今回のイベントの中で度々登場したトピックのひとつが、Webサービスのイノベーションはアメリカからだけでなく、アジアで起きているという点だ。

 SNSサービスの中で、Facebookは未だにマネタイズが進んでいないが、1999年にスタートした韓国のCyWorldはアバター課金によりユーザーの80%から収益をあげており、日本のmixiも広告モデルにより大きく利益を出している事例が紹介された。

 また、日本のサービスはモバイルで大きく変化を遂げていることも注目を集めており、mixiのトラフィックの半数以上が携帯経由であることやモバゲータウンの成功について多くのスピーカーが取り上げていた。

 先日、YouTubeに追加されたAmazonとiTunesの「お買い物」リンクの設置に関してもニコニコ動画のサービスが参考になっている点が挙げられ、「SNSの元となるサービスは韓国の『iloveschool』によって1999年からスタートしていた。CyWorldが登場したのも2001年。FaceBookにいたっては2004年。SNSのマネタイズ化や、携帯への取り組み、動画サービスの収益化などマネタイズへの動きについてもアジアからイノベーションが起こり始めている」とアジアのサービスへの注目が集まっていることが紹介された。

■二匹目のドジョウは簡単ではない? 

 一方で、アジアで成功したモデルをそのまま展開したからといってうまくいくわけでもない。

 CyWorldはアメリカで2年前にサービスを開始したが、ほとんど知られていない状況だ。また市民記者によるニュースサイト、OhmyNewsの成功事例がアメリカで紹介されたときに、ニューヨークタイムズを殺すとまで言われたもののまだそのような動きにまでは至っていない。NowPublicやNewsvineなどOhmyNewsからヒントを得たサイトがいくつか立ち上がったものの、成功にはまだほど遠いというのが現状だ。

 最後に『mahalo.com』という検索結果をwikiで最適化して出すサービスのCEOで、シリアルアントプレナーでもあるジェイソン・カラカニス氏はこう締めくくった。

 「アメリカで200名の人に今後のイノベーションがどこで生まれてくかを質問したところ4つの国に集中した。その4つはイスラエル、日本、韓国、中国。特に昨年は注目のITベンチャー企業のサービスを発表するイベントTechCrunch40で韓国から2社(musicshake、storyblender)が、今年のTechCrunch50では日本から3社が(OpenTrace、tonchidot、GazoPa)が選ばれた。来年の9月にはアジアからより多くの会社が選ばれるかもしれない」

 21世紀のWebサービスはアジア主導になるのかもしれない。それを予感させるイベントとなった。

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