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2008年10月16日(木) 16時12分

会話内容で振り込め詐欺を未然防止 愛媛銀行がATM向けシステム導入ITmediaエンタープライズ

 電話などで相手をだまして金銭の振り込みを要求する「振り込め詐欺」の被害が急増している。2カ月に1度の年金支給日だった10月15日には、県警がATM(現金自動受払機)の見回りや、利用者へのチラシ配布を行うなど、厳重な警戒体制を整えつつある。

 そんな中、愛媛銀行は会話の内容から振り込め詐欺を検知し、監視センターのスタッフが注意を促すシステムを10月中に本格稼働させる。自動音声による対応では利用者の操作を中止させることが難しいとして、有人によるシステムを採用した。システムを開発した富士ソフトが10月15日に明らかにした。

 このシステムは、ATMを利用する人の会話内容から振り込め詐欺に関連するキーワードを検知し、警告をする仕組み。振り込め詐欺の被害者は、ATMの前で加害者から携帯電話で振り込みの指示を受けているパターンが多いことに注目し、システムを開発した。

 利用者の会話をATMの周辺に設置した集音機が集め、振り込め詐欺でよく使われるキーワードと照合する。検知すると警報音が鳴り、監視センターに通知する。センターの職員はモニターで映像を確認し、スピーカーから利用者に詐欺の可能性があることを呼びかける。同時に店舗の職員にも通知し、振り込め詐欺を水際で防ぐようにする。

 キーワードは「数十個を登録」(富士ソフト広報)しており、詳細は非公開。デジタルビデオレコーダーを使い、携帯電話で会話をするといった行動からも、振り込め詐欺の被害の可能性を判断する。愛媛銀行では、プライバシーの観点から会話内容の聞き取りや録音を行わない方針という。

 富士ソフトは今後、この音声検知詐欺防止対策システムを製品化することも視野に入れている。

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