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2008年10月16日(木) 14時00分

トヨタ、『iQ』を米国でも発売か:小型車ブームで方針変更?WIRED VISION

トヨタ自動車は結局、燃費が1ガロン当たり56マイル[公式サイトによると、1リットル当たり21〜23キロメートル]のマイクロカー『iQ』を、米国でも発売することにしたようだ[日本では11月20日に発売]。

車名は『Scion』(サイオン)となる[Scionは、トヨタが米国で展開している自動車ブランド]。

小人の国を走り回れそうなこの車の市販モデルをわれわれが見たのは、3月に開催されたジュネーブ・モーターショーが最初だった。ここでトヨタは、この車は日本とヨーロッパの市場向けに設計されたのもので、米国では発売されないだろうと語っていた(日本語版記事)。

だが、『Motor Trend』誌は複数の匿名情報源の話として、iQは米国でも発売され(ただし車名はScion)、来月開催されるロサンゼルスのモーターショーに出展される予定だと伝えている。

これは賢明な一手であり、Scionブランドに世界最小の4人乗りが加わることは非常に意味がある。

『Car Magazine』誌はiQを「2007年の最優秀コンセプト」に選定(PDFファイル)し、「1997年の初代『Smart City Coupe』[独DaimlerChrysler社(当時)が発表したモデル]以来の、最も意義深い小型車」と評している。

ダッシュボードの形から燃料タンクの配置に至るまで、あらゆる点で室内空間を最大化するための設計がなされており、『Fiat 500』同様、見た目よりもずいぶん広々している。

Motor Trend誌の記事も指摘しているように、トヨタは次世代『プリウス』の開発で少々忙しいうえ、このガソリン高の折にあえて新車を投入する必要はない。燃費効率の高い『Yaris』[日本名『ヴィッツ』]と客を取り合う可能性もあるためだ。

だがそれ以上に、トヨタにはScionの再活性化が必要なのだ。Scionはかつて流行の最先端を行く車としてもてはやされたが、今では保守的な第2世代の『Scion xB』や『Scion xD』によってその評判にも傷が付いた。この小さなiQは、都会の若者世代にぴったりであり、1万5000ドル以下という価格で、Scionのエントリーモデルになるだろう。

トヨタ/Scion陣営にとってiQは、独Mercedes-Benz社製『Smart ForTwo』の強力なライバルという位置づけになる。

Smart ForTwoは、評価がプラスとマイナスに分かれたものの、ヒットしている(日本語版記事)超小型車だ。1年半前に米国で発売されて以来、1万8000台が売れている。

iQはまた、厳しくなる燃費基準にトヨタ/Scionが対応するのに貢献できるだろう。

米国向けiQのエンジン部分の詳細は発表されていないが、欧州で発売される燃費1ガロン当たり55.9マイル(1リットルあたり23.7キロメートル)で1リッター3気筒ガソリンエンジン、または1.4リッターのターボディーゼル・エンジンにならないことは確実だ。おそらく、Yarisと同じ1.5リッター4気筒エンジンになるだろう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081016-00000001-wvn-sci