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2008年10月16日(木) 11時39分

マケイン、オバマ両候補が最後の討論会 政策議論戦わすCNN.co.jp

(CNN) 米大統領選の共和党候補ジョン・マケイン上院議員と民主党候補バラク・オバマ上院議員による第3回テレビ討論会が15日夜(日本時間16日午前)、ニューヨーク州ヘンプステッドのホフストラ大で開催された。
投票を3週間後にひかえた大統領選で、両候補が討論会で直接対決するのはこれが最後。司会は米CBSニュースのキャスター、ボブ・シーファー氏が務めた。両候補は、今週相次いで発表したそれぞれの経済政策など内政問題をテーマに、1時間半にわたって論戦を繰り広げた。
討論開始後間もなく、マケイン氏はオハイオ州で配管業を営む「ジョー」という人物との会話を紹介し、「オバマ氏の税制改革案では、ジョーのような小規模企業主が増税の対象になる」と指摘した。これに対し、オバマ氏は「中小企業でも年収が一定以下であれば減税対象。ほとんどの企業がこの範囲に入る」と反論。マケイン氏は「だれが対象であれ、この時世に増税などすべきでない」と食い下がった。
経済情勢を受けた政府支出の削減については、オバマ氏が「予算を1ページずつ見直し、むだな事業を削る」と述べたのに対して、マケイン氏は持論の「一律凍結」を主張し、「各分野でどうしたら節約できるか、私には分かる」と、過去の実績を強調した。オバマ氏がブッシュ政権下で財政赤字が膨張したことを指摘すると、マケイン氏は「私はブッシュではない。そんなにかれを相手にしたいなら、4年前に立候補するべきだった」と反撃。同氏はさらに、自分は共和党の枠にとらわれず、超党派の立場で闘ってきたと述べ、オバマ氏に「党指導部に逆らったことはあるか」と質問した。オバマ氏は「民主党支持者に人気のない法案に賛成することもあった」といくつか例を挙げたものの、マケイン氏は「説得力がない」と一蹴(いっしゅう)した。
シーファー氏が「テレビのキャンペーンで流れている言葉を、お互いに面と向かって言えるか」と、両陣営の「中傷合戦」に言及すると、マケイン氏は、民主党のジョン・ルイス下院議員が同氏らを人種差別主義者と結び付けた発言を挙げ、さらに「オバマ氏は人格攻撃などの中傷キャンペーンに、前例がないほどの資金をつぎこんでいる」と非難した。オバマ氏は「(投票までの)3週間、中傷を受けても私はかまわないが、国民にとって重要なのは今後4年間の政策だ」とかわした。マケイン氏はさらに、オバマ氏と元過激派指導者ビル・エアーズ氏との関係などを追及。オバマ氏は同氏について、「選挙運動には一切かかわっていないし、ホワイトハウスの顧問になることもないだろう」と述べた。
互いの副大統領候補については、オバマ氏が「ペイリン氏は有能な政治家。ただ、自閉症の研究や福祉充実を主張しているようだが、それはマケイン氏の支出一律凍結論とは両立しないだろう」と批判。マケイン氏は「バイデン氏は外交、安全保障政策でいくつか誤った判断を下したことがある」と述べた。
討論のテーマはさらに、「貿易」「最高裁判事の指名」「妊娠中絶」にも及び、マケイン氏が「自由貿易の推進」「中絶反対」という保守派の立場を主張。オバマ氏は「貿易協定には人権尊重の原則も盛り込むべき」「女性の選ぶ権利を認めるべき」と、リベラル派の立場で真っ向から対立した。
討論を通して、マケイン氏は「保護貿易や増税を主張するのは(世界恐慌への対策に失敗した)フーバー大統領と同じ」「市民の感覚とはかけ離れた、過激な中絶賛成派」と、オバマ氏を積極的に批判する姿勢を見せ、オバマ氏が首を振りながら苦笑する場面が目立った。
大統領選の投票日は11月4日。最後の討論会を終え、両陣営の選挙戦はいよいよ終盤に入る。

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