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2008年10月16日(木) 14時17分

前田雄吉議員 「同志や仲間に迷惑かけた」と陳謝毎日新聞

 業務停止命令を受けたマルチ商法業者から献金を受けていた問題で、民主党の前田雄吉衆院議員(比例東海)は16日、愛知県庁で記者会見し、次期衆院選に立候補しない考えを正式に表明、同日午前に党本部に離党届を提出した。「なんらやましいところはない」と豪語していた姿から一転、涙ながらに釈明。「同志や仲間に迷惑をかけた」と陳謝した一方で、一連の活動については「天地神明に誓って誤りはない。議員の職務をきちんと果たした」と述べ、議員辞職の考えがないことを明らかにした。【月足寛樹、丸山進、影山哲也】

 午前11時、愛知県庁の県政記者クラブ内の会見室。先月19日、次期衆院選の立候補予定者の顔写真撮影に笑顔で応じたのと同じ場所で紺色のスーツに赤色のネクタイ姿、胸に議員バッジを付けた前田議員は沈痛な面持ちで「不出馬」を語った。

 前田氏は、03〜07年にマルチ業者や業界団体から1306万5850円の献金や講演料、パーティー券代金を受け取っていたことを明らかにした。このうち、976万5850円の講演料は「休みを割いて2時間程度話をし、講演としてきちんと実体のあるものの対価だ」と強調、正当性を繰り返した。

 業者への注意を呼びかける国民生活センターのパンフレットを「回収すべきだ」と迫るなど、業界寄りの国会質問を繰り返していたことについては「献金との連動性はまったくない。グレーなまま政治の光が当たらないところに手を入れ、健全化する活動の一環だった」と釈明。業務停止命令を受けた3業者から受領した講演料計210万円は14日に銀行振込で返金したことを明らかにした。

 「私は民主党が好き。本当はみんなと一緒に戦いたかった。でも、みんなに託すしかない」などと言葉をつまらせた一方で、「一から勉強して、けんど重来を期したい。私は(地元選挙区の)愛知6区が好きですから」と述べ、政治活動は続ける考えを示した。

 議員を辞職しなかったことについては「公明正大に(政治資金収支報告書に講演料などを)記載している。消費者保護行政のため、(業界に)きちんと手を入れるということは胸を張って言える」などと述べ、自身の質問が業界に左右されていないなどの点は繰り返し強調した。

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