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2008年10月16日(木) 02時25分

<公取委>「オール電化」で九電に排除命令 「誇大広告」と毎日新聞

 電気温水器など住宅の熱源すべてを電気でまかなう「オール電化」を巡り、公正取引委員会は15日、九州電力(福岡市中央区)に対し、行政処分に相当する排除命令を行なった。消費者向けパンフレットでガスより光熱費が安くなることを強調する一方、設備導入費用が割高になることを記載しなかったことが景品表示法違反(有利誤認)にあたるとして、再発防止などを義務付けた。電力会社が同法違反で、排除命令を受けたのは初めて。

 公取委によると、九電は昨年10月〜今年8月、同社の営業所などで配布したオール電化のパンフレットで、「都市ガスに比べ光熱費が1年間で約10万円もおトク」「ローン金利優遇と光熱費の差額で、30年間で約350万円も節約」と記載した。しかし、最低でも約100万円かかる設備費用や、設備更新費用がかかることは記載していなかった。

 昨年9月以前のパンフレットでは、設備費用がガスに比べ約60万円割高になると明記していた。公取委は、「設備費用が割高になることを明記していないため、消費者を不当に誘引する誇大広告にあたる」と判断した。

 九電は「命令を重く受け止め、全社的に広告類の社内審査体制の一層の強化を図り、お客さまに分かりやすい表示に努めたい」としている。

 オール電化を巡っては、関西電力が05年4月、電線地中化を要望する分譲地にオール電化導入を義務付けるなどして、ガス会社の参入を妨害したとして独占禁止法違反の疑いで公取委から警告を受けている。【斎藤良太】

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