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2008年10月15日(水) 15時10分

イラク指導者、米軍駐留草案を検討 免責で米国と歩み寄りCNN.co.jp

(CNN) イラクのマリキ首相の上級顧問ヤシン・マジッド氏は14日、首相とタラバニ大統領、副大統領2人が会合を開き、今後の米軍駐留を規定する草案を検討したことを明らかにした。

米政府高官が匿名を条件に語ったところによると、草案はイラク駐留米軍が都市部を離れ、路上パトロールを中止して、イラク側から支援要請があった場合を除き、来年6月までに米軍基地に撤収することを求める内容。2011年末までのイラク撤退も盛り込まれているが、情勢次第では同年以降の駐留継続を要請する可能性も想定しており、判断はイラク側の単独判断に委ねられる。

マジッド氏は草案が「最終案に近い」ものだと説明したが、米高官は最終案だとコメント。ただし米高官は、米軍駐留の根拠であり、今年末に期限切れとなる地位協定をめぐる交渉が既に終了したものの、イラク側との合意には至っていないことを強調した。

地位協定交渉では、米軍がイラクの法律から免責されている現状を維持するかが協議された。両国の代表団は「歩み寄った」(米高官)とされるが、具体的な内容は不明。イラク側は、軍の活動と無関係の犯罪に関与した米国人の拘束や裁判の権限と、米軍部隊および契約業者が任務中に重大な過失を犯した場合の司法権を求めている。

イラクのゼバリ外相は先週末、同国指導者らが免責規定を支持するだろうと述べ、草案が妥当な内容であるとの認識を示した。

マリキ首相は15日、政界各勢力の代表者や連邦議会議長を含む国土安全政治評議会に草案を提示する。承認された場合、草案は続いて閣議に提出され、閣僚の3分の2が支持した場合は最終段階として連邦議会に送られる。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081015-00000000-cnn-int