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2008年10月15日(水) 17時23分

Vista後継OSの正式名称はWindows 7——開発コード名の採用は異例Computerworld.jp

 米国Microsoftは10月13日、これまで開発コード名とされてきたWindows 7を、Windows Vistaの後継となる次期クライアントOSの正式名称として採用すると発表した。

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 同社のWindowsプロダクト・マネジメント担当バイスプレジデント、マイク・ナッシュ(Mike Nash)氏は、製品名をWindows 7のままにした理由はそのシンプルさにあると説明した。「簡単に言えば、これはWindowsシリーズの7番目のリリースであるため、『Windows 7』とするのがふさわしいと考えた」(ナッシュ氏)

 Microsoftはこれまで何度かWindowsシリーズに年号を採用してきたが(最後に年号を入れたのはWindows 2000)、ナッシュ氏によると、今回そのやり方は妥当ではないと考えたという。「Windowsの新バージョンを毎年出しているわけではないし、Windows XPのように“新たな願い”を込めた製品名もWindows 7にはそぐわない。Windows 7の目標は、Vistaに込めた願いをしっかりと受け継ぎながら、莫大なリソースを投じたVistaのプラットフォーム技術を次世代版Windowsとしてさらに発展、洗練させていくことにある」(Windows Vistaの公式ブログに投稿したナッシュ氏のコメントより)

 だが、一部のWindowsウォッチャーからは、Windows 7を7番目のOSだとするナッシュ氏の見解を疑問視する声が聞かれる。Windows Vistaの開発者向けブログ「AeroXperience」はVistaを7番目のOSと位置づけており、コンシューマー向けのWindows Meを含めれば8番目になるとしている。

 一方で同ブログは、カーネル・リビジョンをカウントした場合、Windows XPは除外されるため、WindowsカーネルはWindows 7で7.0となるとも述べている。

 WikipediaのWindowsタイムラインを見ると、Windows XPのカーネルは5.1、Vistaは6.0とされている。

 一方、クライアントOSに対するMicrosoft自身のタイムラインはWindows XPまでで終了しているが、同社はVistaの時点で9エディションと考えているようだ(Windows 3.0/NT/95/NT Workstation/98/Me/2000/XP/Vista)。それを見るかぎり、同社は1985年にリリースしたWindows 1.0や、1987年リリースのWindows 2.0を真の意味ではWindowsとみなしていないと言える。

 Microsoftが開発コード名を正式な製品名に採用するのはきわめて異例であり、ナッシュ氏も「Windowsでは初めてのことだ」と話している。

 同社はWindows 7の出荷日をまだ決定していないが、Vistaの3年後をめどにすると明言しており、2009年の終わりから2010年初頭になると見られている。

(Gregg Keizer/Computerworld米国版)

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