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2008年10月15日(水) 13時36分

飲酒ひき逃げ死亡、事故前に降りた同乗者に賠償命じる判決読売新聞

 鹿児島県・奄美大島で2003年に起きた飲酒ひき逃げ事故で、次男(当時24歳)を亡くした遺族が、「危険な飲酒運転を止めなかったのは違法」として、事故直前まで車に同乗していた鹿児島県の男性(24)に約5300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、鹿児島地裁であった。

 男性は事故を起こした元少年(当時19歳)と酒を飲んでおり、小田幸生裁判長は「男性は元少年の事故が予見できた」としたうえ、これを制止する義務を怠ったとして、元少年との共同不法行為を認め、全請求額の支払いを命じた。

 弁護士らによると、飲酒運転事故が起きる前に車を降りた同乗者の責任を認めた判決は極めて異例。

 遺族は「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」共同代表の佐藤悦子さん(57)と長男(34)(いずれも大分県国東(くにさき)市)。

 判決によると、次男の隆陸(たかみち)さんは03年11月、仕事で鹿児島県名瀬市(現奄美市)に出張し、市道を横断中、同市内の元少年=業務上過失致死罪と道交法違反(酒気帯び、ひき逃げ)で有罪確定=の車にはねられ死亡した。元少年は同市内で、男性とビールと発泡酒計3本や焼酎4杯などを飲んでいた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081015-00000028-yom-soci