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2008年10月15日(水) 18時06分

ノベル、BSMベンダーのマネージド・オブジェクツを買収Computerworld.jp

 米国Novellは10月14日、BSM(Business Service Management)ソフトウェア・ベンダーである米国Managed Objectsを買収すると発表した。買収条件については明らかにしていない。

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 BSMは、日々の一連のビジネス・プロセスに応じてITシステムのパフォーマンスを管理するというもの。BSMソフト市場では、IBMや Hewlett-Packard(HP)、CA、BMC Softwareといった大手ベンダーが支配的地位を占めてはいるものの、CompuwareやFireScopeをはじめとする、より小規模のベンダーも多数存在する。

 NovellはすでにITマネジメント製品を販売しているが、それはアイデンティティ(ID)管理やデータセンター管理、資産管理といった領域に限られており、Managed Objectsが販売しているようなサービス・モデリング・ツールや分析ツールは扱っていない。

 買収契約の完了時期は、Novellの2009会計年度第1四半期(2008年11月-2009年1月期)の間になる見通し。同社では、Managed Objectsを自社のシステム&リソース・マネジメント事業部門に統合する計画だ。

 Managed Objectsの従業員の大多数はそのままNovellに移る予定だが、Novellで余剰人員が生じる可能性もあり、この点についてはNovellの幹部もコメントを控えている。同社データセンター・ソリューション担当マーケティング・ディレクターのリチャード・ホワイトヘッド(Richard Whitehead)氏は、「こうした状況下では余剰がどうしても生じるものだ」と述べるにとどめている。

 今回の買収について、米国の調査会社Redmonkのアナリスト、マイケル・コート(Michael Cote)氏は次のような見解を示している。「Managed Objectsの既存顧客は、その製品ラインの将来に関してあまり心配する必要はないのではないか。大抵の買収には『何かが切り捨てられるのではないか』という懸念がつき物だが、今回Novellが手に入れたのは、自分たちが持ち合わせていないものばかりだ」

 Novellのホワイトヘッド氏も、当面はManaged Objects製品の路線変更がないことを断言している。「従来どおりのサポートと既存の製品ロードマップを維持するつもりだということを強調したい。買収の成果として、むしろ機能の向上を実現させることができると考えている」(ホワイトヘッド氏)

(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)

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