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2008年10月15日(水) 17時53分

Google Appsでイントラネット構築に取り組むワシントンD.C.市Computerworld.jp

 米国ワシントンD.C.は、かつて職員用のイントラネットを新たに整備するプロジェクトを実施した際、独自ポータル・ソフトウェア・ベースのサイトの構築に400万ドルを支出した。市政府のCTO(最高技術責任者)を務めているヴィヴェック・クンドラ(Vivek Kundra)氏は10月14日、この計画を撤回し、Google Appsを採用していくことを明らかにした。これは、IDG News Serviceとのインタビューで同氏が語ったもの。

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 グーグル(Google)は、Webベースのアプリケーション・スイートであるGoogle Appsを、オフィス・プロダクティビティ製品市場でMicrosoft Officeの有力なライバルに育て上げようとしており、ワシントンD.C.市のプロジェクトは市場参入のテスト・ケースとなっている。

 34歳のKundra氏は、オープンソースやオープン標準ベースの技術にこそ自分たちの未来があると考えており、Googleにとっても頼もしいパートナーである。

 一部の報道機関は、ワシントンD.C.が3万8000人の職員全員をMicrosoft OfficeからGoogle Appsに移行させていると報じたが、実際にそのような(職員全員の移行)計画があるわけではない。

 しかしKundra氏は、Microsoft OfficeからGoogle Docsに移行する職員は増加しつつあり、使いやすさという点でも、イントラネットに対応する新しいサイトを迅速かつ容易に構築できるという点でも、 Google Appsのほうに分があると語っている。

 ワシントンD.C.の職員たちが新たなイントラネットの機能としてGoogle Appsを活用するようになった発端は、Kundra氏が2007年3月にCTO就任した直後に下した決断にあった。

 同氏は、当時進められていたITプロジェクトを再検討し、Plumtreeが提供する独自ポータル・ソフトウェアをベースに数百万ドルを投じて進められていたイントラネット構築プロジェクトを中止したのだ。

 2007年6月からは、職員を対象としたイントラネットのパイロット・プロジェクトが始まり、電子メール・サービスとしてGmailが、文書とスプレッドシートの作成用としてGoogle Appsが使用されるようになった。今年に入ると、イントラネットが本格的に稼働を開始し、今では日常的に使われるようになっているという。

(Elizabeth Montalbano/IDG News Serviceニューヨーク支局)

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