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2008年10月14日(火) 17時09分

サンと富士通、UltraSPARC T2 Plus搭載のUNIXサーバ「SPARC Enterprise T5440」を発表Computerworld.jp

 米国Sun Microsystemsと富士通は10月13日、Sunの8コアCPUであるUltraSPARC T2 Plusを搭載したミッドレンジ市場向けUNIXサーバの新製品「SPARC Enterprise T5440」を発表した。同日より提供を開始している。両社は、データベースやERP(Enterprise Resource Planning)、仮想化によるサーバ統合など作業負荷の大きな用途での利用を想定している。

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 T5440は、今年春に発表された2ソケット・タイプの「SPARC Enterprise T5240」を4ソケットに拡張した製品である。

  Sunの社長兼CEO、ジョナサン・シュワルツ(Jonathan Schwartz)氏によると、昨年10月に登場したUltraSPARC T2プロセッサ(開発コード名:Niagara 2)ベースのサーバ製品は、売上高10億ドル規模の事業に成長しており、現在も年率約60%のペースで成長しているという。

 T5440の製造は、Sunのビジネス・パートナーである富士通が行う。T5440上ではSolaris 10が稼働し、最大4個のUltraSPARC T2プロセッサ(32コア)で256スレッドを同時に処理できる。また、最大512GBのメモリをサポートしている。国内価格は621万円から。

 UltraSPARC T2プロセッサを搭載した従来製品は、アプリケーション・サーバなどネットワーク用途を主なターゲットとしていた。これに対しT5440は、ERPやサーバ仮想化などマルチスレッディング機能が求められる分野への拡販をねらっている。

 シュワルツ氏は、「T5440のマルチスレッディング機能を生かすことで、これまで256台のサーバで実行していた処理をわずか1台で賄えるようになる」と語り、ハードウェアとシステム関連の管理コストを削減できる点を強調した。

 とはいえ、Sunが最もアピールしたかったのは、環境面への配慮だろう。T5440は、4Uラック(1Uは1.75インチ)に収納できるコンパクトなサーバであり、必要のない場合にはCPUを停止することも可能だ。また、温度変化に応じてファンの回転速度を調整するインテリジェント・ファン・コントロール(IFC)機能も搭載されており、電力消費量および騒音の削減に貢献している。

 米国の調査会社IDCによると、Sunのサーバ事業の売上高は、直前の四半期決算が前年比でおよそ7%落ち込んだ。この点についてSunのシュワルツ氏は、「成長市場とは言えなくなったハイエンド向けサーバの販売が不振だった」と説明した。

 近年、UNIXサーバ市場でSunが直面している最大の課題は、より幅広い顧客へと製品展開を図ることだと言える。昨年来、同社が米国Intelと共同でx86サーバの開発を進めている理由もここにある。

 IDCのアナリスト、ジーン・ボズマン(Jean Bozman)氏によると、Sunのサーバ製品は、全般的に売上高が下落傾向にあるものの、マルチスレッディング機能をサポートするUltraSPARC T2プロセッサ搭載のサーバ製品については、売上高は急激に伸長しているという。

(Patrick Thibodeau/Computerworld米国版)

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081014-00000004-cwj-sci