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2008年10月14日(火) 14時33分

アップル、iPhone 3G“欠陥”訴訟の棄却を裁判所に請求Computerworld.jp

 「iPhone 3G」のパフォーマンスに不満を持つユーザーの訴えを棄却するよう、米国Appleが裁判所に求めていることが、10月10日に公開された書類で明らかになった。製品の修理や交換をユーザーが申し出ていないことなどを棄却請求の根拠としている。

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 Appleを相手取った訴訟が明らかになったのは、米国でのiPhone 3G発売から1カ月後の今年8月のこと。同月20日、アラバマ州在住のジェシカ・スミス(Jessica Smith)氏が同社を提訴した。

 スミス氏は、通話が頻繁に切れること、AT&Tのネットワークに安定して接続できないこと、通信速度が宣伝文句よりも遅いことなどを訴えている。「“欠陥品”のiPhone 3Gで、3G規格およびプロトコルを利用して接続できる時間は25%以下であり、通話切れも頻繁に起きる」(スミス氏の訴状より)

 その後、別のiPhoneユーザー、ウィルトン・トリッグス(Wilton Triggs)氏もスミス氏に加わり、集団訴訟の認定を求めた。また彼ら以外にも、一部ユーザーが通話や接続に関して苦情を訴えている。

 こうした動きに対し、Appleは原告の訴えを棄却するよう裁判所に求めている。同社の弁護士は裁判所に提出した書類の中で、原告がiPhoneの修理または交換を申し出ていないことなどを棄却請求の根拠に挙げている。

 「原告が提出した修正訴状に示された3点の訴訟原因は、前例にある重要な条件を明らかに満たしていない。すなわち、Appleによる1年間の限定保証に基づき、欠陥があるとされるiPhone 3Gの修理、または交換を申し出ていないという点だ」(同書類より)

 アラバマ州の法律およびAppleの保証契約によると、消費者は訴訟を起こす前に修理または交換、あるいは返金を申し出る必要があるという。「原告は、体験した製品の問題についてAppleに告知をしておらず、また保証契約に基づく修理または交換の依頼も行っていない。原告側の主張は、Appleが上記の欠陥について認識があったにもかかわらず、手遅れの段階になってから修正を試み、結果を出していないというものだ」とApple側は説明している。

(Gregg Keizer/Computerworld米国版)

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