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2008年10月13日(月) 03時00分

真相に迫るつもりだった、とロス郡検事…三浦元社長自殺読売新聞

 1981年11月のロス疑惑「一美さん銃撃事件」を巡り、元輸入雑貨会社社長・三浦和義容疑者(61)(日本で無罪確定)が移送先のロサンゼルス市警の拘置施設で自殺したことについて、ロス郡検事局検事のルイス・伊藤さん(77)は11日(日本時間12日)、読売新聞のインタビューに応じ、「我々は真相に迫るつもりだった。こういう幕切れは一美さんの家族にとっても本当に残念だったと思う」と話した。

 伊藤さんは、27年前の事件発生当初から捜査に携わり、三浦元社長が今年2月にサイパンで拘束されたのを受け、ロス郡検事局に復帰した。日本で無罪が確定した元社長を今回、ロスの法廷で裁こうとした理由については「『このままではしめしがつかない』という思いが原動力だった」と明かしたうえで、「法廷で否認しても、必要な証人を用意して真実を解明するつもりだった」と語った。

 一方、三浦元社長が88年10月、元妻の一美さん銃撃事件の殺人容疑などで逮捕された際、取り調べを担当した元警視庁捜査1課理事官の大峯泰広さん(60)は「ロスに移送され、追いつめられた心境になったのではないか」と推測する。

 三浦元社長は大峯さんの取り調べの中で動揺するそぶりも見せず、容疑も一切認めなかった。大峯さんはロス郡上級裁が逮捕状の殺人容疑については無効としながら、殺人の共謀容疑を有効と判断したことを指摘して、「彼は法律をよく勉強していたから、共謀罪に問われれば逃れられない、と考えたのではないか。これで真相は闇の中になってしまった」と残念がった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081013-00000002-yom-soci