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2008年10月13日(月) 02時31分

<遮光カーテン>車に設置禁止求め 事故の遺族ら国に要望へ毎日新聞

 名古屋市熱田区で3月、母子3人がトラックにはねられ死傷した事故で、5歳の長男を失った父親らが事故原因の一つとされた車用カーテンについて、法令で設置禁止を求める要望書を今月中にも国土交通省に提出する。遮光カーテンを閉めての走行は道路交通法違反(乗車積載方法違反)にあたるが、設置自体は禁止されておらず、運転手は助手席側のカーテンを閉めた状態で交差点を左折し、母子をはねた。父親らは「すぐにでも規制を」と訴えている。【飯田和樹】

 要望書を提出するのは、死亡した保育園児、一平君の父で介護士の古橋学さん(37)=名古屋市天白区=と全国交通事故遺族の会会員の佐藤清志さん(44)=東京都品川区。

 車用の遮光カーテンは本来、運転手が仮眠する時などに使う。だが、3月17日に発生した事故で自動車運転過失致死傷罪に問われた元運転手、浜伸明被告(33)の公判で、検察側は浜被告が普段から、車外からのぞかれないための目隠し目的でカーテンを閉めて運転していたと指摘、禁固4年を求刑した。判決は15日、名古屋地裁で言い渡される。

 古橋さんは事故後、遺族の会で事故防止に取り組む部会に所属する佐藤さんと出会った。03年5月、佐藤さんの長女(当時6歳)は交差点で左折してきたトラックにはねられ死亡。窓ガラスのスモークフィルムが事故原因の一つだったことから、同様に運転手の視界を狭めるカーテンの規制を以前から国交省などに求めていた。

 国交省は今夏、運転手の視界確保を狙いとした道路運送車両法改正の検討を始めたが、カーテンの設置禁止には踏み込まない方針という。古橋さんらは「カーテン設置を認めていれば、走行中に使われる恐れが常にある」と訴えている。

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