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2008年10月13日(月) 01時32分

<三浦元社長>独房監視カメラなし ロス市警、調査へ毎日新聞

 【ロサンゼルス吉富裕倫】米ロサンゼルス市警本部の留置場で10日夜(日本時間11日昼)、輸入雑貨販売会社の三浦和義元社長(61)が自殺したことを受け、ロス市警のチャーリー・ベック副本部長は11日、本部長の監督下で独立した監察部門が真相解明に乗り出すことを明らかにした。三浦元社長の遺体は同日、病院からロス郡検視局に移された。今後、死因や自殺の動機、方法などについて詳しい調査が行われる。

 ただ、関係者の話によると三浦元社長が収容されていた独房には監視カメラが設置されていなかった。元社長は巡回で異常なしと確認されてから10分後に意識不明の状態で発見されており、「空白の10分」の解明は困難が予想される。

 留置場内の監視カメラについて、ベック副本部長は11日、「部分的にはあるが、独房内部の映像があるとは期待していない」と述べていた。

 関係者によると、独房に監視カメラはないが、廊下にマイクが設置され、看守が音を聞くことができ、24時間録音しているという。異変は30分ごとの定期巡回の10分後、「看守が独房のわきを歩いた時」に発見されたといい、異常音があった可能性もある。

 自殺の恐れがある容疑者は市警本部の留置場ではなく、常時監視が可能な別の留置施設に移される。だが、三浦元社長は自殺の恐れがある要注意人物とはみなされず、通常の独房に収容されていた。

 一方、ロス市警の広報担当官は11日、「三浦和義元社長が自殺したため、(81年のロス銃撃事件の)捜査は終結した。もはや殺人の共謀罪の容疑者ではない」と述べた。

 ◇24時間監視が必要

 米国の刑事司法に詳しい藤本哲也・中央大法学部教授(犯罪学)の話 ロス市警の独居房がどういう留置施設なのか実際に見ていないので分からないが、一般的に米国は監視カメラやIT設備など物的な監視態勢が主で、人的対応が主となる日本とは異なる。市警はネクタイやベルトを外させるなど最低限の対応はしたようだが、まさか自殺すると思わず、油断したのではないか。殺人の共謀罪という重大な罪に問われ、マスコミの関心も高い事件だけに、細心の注意を払い、24時間カメラ監視の房に入れるなど特別な態勢を取るべきだった。

 ◇妻らロスへ出発

 ロス市警の留置場で首つり自殺した三浦和義元社長(61)の妻らが12日夕、成田国際空港発の日航機でロサンゼルスへ向け出発した。同空港には報道陣約60人が集まったが、妻らは報道陣の問いかけに応じることなく、足早に機内へ乗り込んだ。【駒木智一】

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