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2008年10月12日(日) 08時04分

エチオピア誘拐女性医師 赤羽桂子さんと確認産経新聞

 日本人女性医師を含む国際医療団体「世界の医療団」の2人がエチオピアで誘拐された事件で、日本人女性医師は、茨城県土浦市の土浦協同病院にかつて勤め、現在は長崎大熱帯医学研究所に大学院生として在籍している赤羽(あかはね)桂子さん(32)であることが11日、分かった。現地メディアの映像から、同病院の男性医師や長崎大関係者が確認した。

 同病院などによると、赤羽さんは昭和51年生まれ。富山医科薬科大医学部を卒業し、平成15年10月から19年3月まで小児科医として土浦協同病院に勤めていた。長崎大学医歯薬学総合研究科の修士課程を修了し、今年4月から博士課程に進み、熱帯医学研究所で研究しているという。

 同病院小児科の渡部誠一部長は「今年3月、『エチオピアに行く』と言っていた。政情不安なので止めたかったが、本人の意志が強く、希望に満ちて輝いて見え、言い出せなかった。顔にあまり出さないが精神的にも肉体的にも参っていると思うので、一日も早く解放してほしい」と話した。

 赤羽さんは感染症の専門医だった父親の影響もあり、感染症の臨床にも力を入れていたといい、「発展途上国の子供たちを救いたい。戦争と貧困で医療レベルが異なるので、自分が行って助けたい」と渡部部長らに話していたという。

 一方、長崎大は「赤羽桂子さんという大学院生が在籍していることは事実だが、同一人物かどうか確認中」と説明している。

 赤羽さんは現地記者の取材に「ケイコ・アカハネ」と名乗り、「われわれは無事。食事や水を与えられている。いまは(ソマリアの首都)モガディシオにいる」などと話していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081012-00000078-san-soci