記事登録
2008年10月12日(日) 08時02分

阪神・岡田監督辞任…V逸ケジメサンケイスポーツ

 突然の辞意表明−。阪神・岡田彰布監督(50)が11日の横浜最終戦(横浜)の試合前の宿舎でミーティングを開き、V逸の責任を取って今季限りで辞任する意向を選手、コーチ陣に伝えた。18日からの中日とのクライマックスシリーズ第1ステージを前に、阪神が激震に見舞われた。

 衝撃の言葉に選手は声を失った。世紀のV逸から一夜明けた横浜スタジアムのロッカールーム。岡田監督が息を飲み込んだ後、口を開いた。

 「こういうことになった以上、誰かが責任を取らんとアカン。俺が責任を取って辞める。(南球団)社長と、そういう話もした。5年間、お世話になった。ありがとう」

 突然の出来事だった。関係者によれば巨人の優勝が決まった10日夜、フロントに辞意を漏らしたという。日付がかわり、今度は選手に伝えた。そしてまた「まだCSがあるから、気持ちを切り替えて頑張ろう」と続けた。18日からの中日戦では指揮を執る方向だ。

 04年に阪神監督に就任。「負けたら辞める」「4位ならクビ」…。5年間の在任期間中に何度か“辞意”を口にしたが、それはシーズン途中の発言だった。ナインに危機感を与える意味もあった。今回は違う。もうハラは固まっている。

 「慰留? そんなコロコロ気持ちが変わったら、監督なんかやってられへん」

 午後9時前、新幹線で新大阪駅到着後、自宅近くの宝塚市の飲食店に向かった。担当記者と“別れの杯”。今後予想される球団の動きに対し、“不変”を改めて示した。

 最大13差をひっくり返されて優勝を逃した。10月の7試合の「Vロード」で1勝5敗1分け。3日のヤクルト戦(神宮)では5点のリードを守りきれなかった。2−2で引き分けた4日は同戦ではファンと衝突するなど、精神的にも不安定だった。

 「優勝を逸したこと以上にショックです。(辞意は)頭の片隅にもなかった」

 坂井信也オーナー(60)は沈痛な表情で語った。12日、中日戦が行われるスカイマークスタジアムに南球団社長が出向き、慰留に当たるが、指揮官の気持ちはもう…。

 就任1年目の04年は4位に沈んだものの、05年のリーグ優勝以降は毎年、V争いに加わってきた。「監督を5年やった。二軍監督も含めると10年や。もう十分や」。気力の低下もあり、区切りとケジメの決断だった。

 CSが最後のタクト。負けた時点で、“終戦”となる。それはまた激動の始まり。常勝軍団を夢見た一人の男が去ろうとする。なぜこの時期に…。そんな疑問も一気に流されてしまうほどの衝撃に襲われた。次の監督は? 残されたコーチ陣は? 何より落合竜に勝てるのか!! 屈辱のV逸以上の激震に阪神が揺れる−。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081012-00000018-sanspo-base