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2008年10月12日(日) 00時00分

収容先・ロスの独房で首つり/三浦元社長が自殺カナロコ

 一九八一年のロサンゼルス銃撃事件で、今年二月に米自治領サイパンで逮捕、拘置され、ロサンゼルスに移送されたばかりだった三浦和義・元会社社長(61)=日本では無罪確定=が十日午後十時(日本時間十一日午後二時)ごろ自殺した。関係者が明らかにした。

 収容先のロス市警本部の留置場独房でTシャツを使って首つりを図り、搬送先の病院で死亡が確認された。

 元社長の死亡で、訴追手続きは停止される見込み。日本で無罪が確定した元社長が、米当局に逮捕され、発生から二十七年を経て米国であらためて訴追の手続きが進むという異例の展開をたどったが、真相究明は極めて難しくなった。

 三浦元社長は十四日に罪状認否のためロス郡地裁に出廷する予定だった。一貫して無罪を主張していた。

 ロス市警は日本時間の十二日午前零時すぎをめどに、記者会見するとしている。

 元社長のロスの弁護人ゲラゴス氏は十一日、AP通信に「担当弁護士の一人が三浦元社長に十日に会い、精神状態は良さそうだった。元社長は法廷闘争に前向きだった」と語った。

 元社長は、サイパンからロスへの移送を拒否していたが、現地の地裁が人身保護請求を棄却。ロス郡地裁に求めた逮捕状取り消しも実現せず、一転して移送に同意した。

 元社長は十日早朝、民間航空機でロサンゼルスの空港に到着。市警のリック・ジャクソン捜査官らに付き添われて捜査車両に向かった際には表情をほとんど変えず、無言のままだった。

 ◆拘束中になぜ
 三浦元社長の自殺が報じられた十一日夜、平塚市根坂間の自宅兼店舗の周囲には多くの報道陣が集まった。

 二階の窓に明かりがともり、関係者らしい男性二人が慌ただしく出入りを繰り返したが、報道陣の問いかけには無言のまま。午後九時近くになって「三浦和義がロスでの拘束中に亡くなったとの知らせを領事館より受けた。米国政府からは具体的な説明がない。拘束中に、なぜこのような事態になったのか、悲しみとともに遺憾に感じる。日本政府からも早急な事実確認をお願いしたい」などとする親族名のコメントを出した。

 近くに住む女性は「最近も店は通常通り営業していた。きのう(十日)午後三時ごろ、妻の姿を見掛けた」と話した。

 三浦元社長が所属する芸能プロダクション「アルファ・ジャパンプロモーション」(横浜市中区)の荒井英夫社長は、神奈川新聞社の取材に対し「(自殺の知らせは)午後六時ごろ関係者からの電話で知った。厳重な警備なのに自殺できるのはおかしい。映像でも、自殺する雰囲気ではなかった」と、自殺に懐疑的。元社長の妻と電話で話したが「言葉が出ない状態だった」と明かした。

 ◆関係者に驚き
 一方、ロス銃撃事件で死亡した元妻、一美さん=当時(28)=の母親・佐々木康子さんが住む川崎市川崎区内の実家は室内の明かりが消え、静まりかえっていた。

 近くに住む一美さんの伯父の佐々木秀忠さん(87)は三浦元社長が死亡したことを知らされると、「えっ、自殺したの?
 知らなかった」。テレビ報道でロサンゼルスに移送された様子は見ていたといい、「あんなに厳重に捜査官に囲まれていたのに…」と、驚いた様子だった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000007-kana-l14