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2008年10月12日(日) 21時14分

三浦元社長自殺 ロス市警への批判高まる 本部長直轄で真相解明産経新聞

 【ロサンゼルス=松尾理也】サイパンからロサンゼルスに移送された直後に三浦和義元社長(61)が自殺を遂げたことを受け、ロス市警は11日、本部長直轄で一連の経緯について捜査を行うことを明らかにした。ロス郡地検なども合同で捜査に当たるという。一方、三浦元社長の代理人、ゲラゴス弁護士が「(第三者による)独立した調査を行うべきだ」と述べており、市警への批判が高まりつつある。

 この日、会見した市警のチャーリー・ベック刑事部長は、調査は初期段階にあると強調しつつ、自殺の状況について説明した。それによると、三浦元社長は10日午後9時45分ごろ、通りかかった係官に、独房内で意識を失って倒れているところを発見された。

 元社長が入っていた市警本部内の留置場は、州留置管理規則で30分ごとに監視を行うことになっていた。意識を失った状態の元社長が発見されたのは、規則による巡回のわずか10分後だった。

 24時間態勢による常時監視は行われておらず、ベック氏は「元社長は、自殺の懸念があるとはみなされなかった。もし、そんな傾向が認められていれば、適当な別の施設に収容されただろう」と話した。

 ベック氏は「(自殺についての)徹底的な捜査が、これまでの三浦元社長の事件とは無関係なチームによって進められている」と強調。この捜査がブラットン本部長直轄で進められることや、市警監察官や地検も捜査に加わることも明らかにした。

 しかし、こうした対応に対し、滞在先のイタリアから急ぎ帰国したゲラゴス弁護士は「発生した事態について、率直で説得力のある説明はまだ受けていない」と牽制(けんせい)。ロサンゼルス・タイムズ紙に対し、「おそらく独立した調査を要求することになるだろう」と述べた。

 一方、在ロス日本総領事館の出木場(できば)勝・領事部長もこの日、報道陣に対し、「まずは市警による捜査の進展を見守るが、結果によっては邦人保護の観点から、日本政府として何らかの対応を取る可能性はある」と話した。

 ロス市警管内では今年8月にも、強盗容疑で逮捕された31歳の男が、ハリウッド留置場で首をつって自殺するなど、収容者の自殺は後を絶たないのが現状。三浦元社長自殺を機に、市警側は厳しい対応を強いられることになりそうだ。

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