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2008年10月12日(日) 21時51分

<グルジア>日本支援のトラクター22台盗難毎日新聞

 【トビリシ小谷守彦】南オセチアを巡りロシアと軍事衝突したグルジアのクエゼレリ農相が毎日新聞と会見し、約2カ月間ロシア軍占領下にあったグルジア領内から、日本の資金援助で5年前に購入したトラクター(耕作用けん引車)全22台が盗まれたと述べた。農業被害を明らかにする中で語った。

 農相によると、トラクターは南オセチア周辺地域に3カ所ある国有センターが所有していた。私有のトラクターも多数が盗まれたという。また、ロシア軍による畑への放火被害が約500ヘクタール、戦車の走行などによる耕作地破壊が約100ヘクタールに及ぶと述べた。被害農家は約3000戸に上り、うち9割は地域を離れ避難民として生活しているという。

 さらに羊2000頭が盗まれたほか、牛や豚が各地で殺されたと説明。「この地域で農家が働けないようにするためと考えられる」と指摘した。

 クラスター爆弾などの不発弾も問題になっている。農相によると、グルジア政府はロシア軍撤退に際し、不発弾の存在地点を示す地図の提供を求めたが、ロシア軍は拒否したという。グルジア政府は南オセチア周辺の8村で10日、不発弾の実態調査を始めたが、調査にどれほど時間がかかるか不明だ。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081012-00000071-mai-int