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2008年10月12日(日) 18時39分

<体力・運動能力調査>10代は緩やかな向上傾向 文科省毎日新聞

 中学生以上の10代の体力や運動能力は、この10年で緩やかな向上傾向にあることが、文部科学省の07年度体力・運動能力調査で分かった。現行方式での調査開始から10年目で、前年までとは比較方法が若干違うものの「一部種目で(運動能力の)下げ止まりがみられる」とした06年度調査から一転して向上傾向となった。

 調査は07年5〜10月、6〜79歳の計約7万人を対象に実施した。

 全種目(6〜11歳は8種目、12〜19歳は9種目)合計点で、小学生は大きな変化がなかったが、中高校生は向上。13歳では80点満点で38.87点から42.94点になった。種目別ではこの10年で、13歳男子の上体起こし(腹筋運動)は23.45回から27.10回に、13歳女子の20メートル往復持久走は50.28回から59.81回になった。反復横跳びなどを含め、練習効果の表れやすい種目で記録が向上していた。

 07年度調査は、上体起こしなどが加わった現行方式の調査開始から10年目にあたる。06年度調査までは、旧方式の調査から継続している50メートル走やボール投げなど4〜5種目で変化を分析してきた。今回初めて全種目で比較し、下げ止まり傾向が見られるとした06年度から一転、緩やかな向上との分析になった。

 ピークだった85年度との比較では、依然各種目で記録が劣っている。しかし中学男子では、13歳男子の50メートル走が7.90秒から7.94秒、ハンドボール投げが22.10メートルから22.03メートルで大差なかった。

 スポーツをする頻度については、小学生で「ほとんど毎日(週3日以上)」と答えた割合が男女とも85年度より減少したが、中学生では男女とも増加。13歳男子は87%(85年度79%)だった。高校男子は増えているが、女子は「しない」と回答した割合が増えて約3割に達した。

 調査に携わった順天堂大の青木純一郎特任教授は、中学生以上の体力向上について「スポーツ科学が発達し、部活動やスポーツ教室などの指導者の知識が高まった効果ではないか。小学生段階では筋力などのトレーニング効果が出にくい」と分析している。【加藤隆寛】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081012-00000032-mai-soci