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2008年10月12日(日) 02時48分

三浦元社長が首つり自殺…移送先のロスでスポーツ報知

ロサンゼルス空港に到着した三浦和義元社長。左はロス市警のリック・ジャクソン捜査官

 1981年のロサンゼルス銃撃事件で、今年2月に米自治領サイパンで逮捕、拘置され、10日にロサンゼルスに移送された三浦和義・元会社社長(61)=日本では無罪確定=が同日午後9時45分(日本時間11日午後1時45分)ごろ、ロス市警本部の留置場独房で首をつって自殺を図り、間もなく死亡した。

 訴追手続きは停止される見込みで、発生から27年を経て異例の展開をたどった事件の真相究明は極めて難しくなった。

 ロス市警の発表によると、巡回中に意識不明で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。シャツを使って首つりを図ったという。遺書などは現時点で見つかっておらず、自殺の動機は不明。遺体は既にロス郡の検視局に運ばれており、当局が司法解剖して死因を調べる方針。巡回は30分ごとに行われていた。

 三浦元社長は元妻の一美さん=当時(28)=銃撃事件で、殺人と共謀の疑いで米司法当局に逮捕された。ロス郡地裁に逮捕状の取り消しを請求し、一貫して無罪を主張。郡地裁は、判決が確定した事件で再び罪に問われない「一事不再理」原則に反するとして殺人容疑では無効としたが、日本にはない共謀容疑は有効と判断した。

 元社長はこれを受け、それまで拒否していたロスへの移送に同意。周囲には法廷闘争に前向きな姿勢を示し、14日には罪状認否のためロス郡地裁に出廷する予定だった。

 元社長の親族は「悲しみとともに、遺憾に感じている」として、米側に自殺に至った経緯などの調査を求めている。

 米国の法律では、殺人事件に時効はなく、一美さん銃撃事件は市警の長期未解決事件を扱う部署が担当。元社長は10日早朝、民間航空機でロスの空港に到着した。市警のリック・ジャクソン捜査官らに付き添われて捜査車両に向かった際には表情をほとんど変えず、無言のままだった。

 ◆ロス銃撃事件 1981年8月、米ロサンゼルス市のホテルで三浦和義元社長の妻一美さん=当時(28)=がホテルの自室で頭を殴られ負傷、同年11月に市内で頭を銃撃され、約1年後に死亡した。元社長も左足を撃たれ、事件後に一美さんの保険金約1億61000万円を受け取った。警視庁は85年9月、殴打事件の殺人未遂容疑で、88年10月には銃撃事件の殺人容疑で元社長らを逮捕。元社長は殴打事件で98年、実刑が確定し服役。銃撃事件では一審は無期懲役だったが、逆転無罪とした二審判決が2003年、最高裁で確定した。元社長は08年2月、殺人と共謀の容疑で米自治領サイパンで逮捕され、10月にロスに移送された。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081011-OHT1T00248.htm