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2008年10月12日(日) 11時04分

【三浦元社長自殺】遺書なし、10分ごとの見回りで防げず…ロス市警会見詳報産経新聞

 三浦和義元社長(61)が拘置中に自殺したことを受け、ロス市警のチャーリー・ベック刑事部長が11日午前、同市警本部で会見し、「もし、自殺の可能性があれば、ロス市警本部内の留置施設ではなく、常時監視できる適当な施設に収容されていただろう」などと語った。三浦元社長の逮捕を指揮したリック・ジャクソン捜査官も同席したが、質問には答えなかった。市警が配布した説明資料の要旨と、ベック刑事部長と報道陣との主なやりとりは次の通り。(ロサンゼルス 松尾理也)

 ■説明資料

 ・10日午後9時45分ごろ、通常の留置施設見回りの際に、独房内で三浦元社長が意識不明となっているのが発見され、医療担当員が緊急招集された。三浦元社長はシャツの一部を使って首をくくっていた。

 ・ただちに心肺蘇生(そせい)措置が施されるなど、救急の手だてが取られた。元社長は南カリフォルニア大付属病院に緊急搬送されたが、そこで死亡が確認された。

 ・市警はただちに日本総領事館に事実を伝え、元社長の家族に連絡を取るよう要請した。

 ・元社長が収容された区域を担当していた留置管理官は、規定通りに監視を行っており、元社長に緊急事態が発生した10分前に、その見回りを終えたばかりだった。そのときは何も変わったことはなかった。

 ・カリフォルニア州留置管理規則によると、房の見回りは30分に1度実施することが義務づけられている。今回、係官は10分ごとの見回りを行っていた。

 ■質疑応答

 −−三浦元社長は自殺の懸念があると認識されていたのか

 「元社長は自殺の可能性があるとはみなされておらず、そういった兆候は一切なかった」

 −−もし自殺傾向があるとみなされれば、どのような措置を受けるのか

 「もしそう見なされていれば、ここ(ロス市警本部内の留置施設)には収容されなかった。常時監視が可能な、もっと適当な施設に収容されていただろう」

 −−元社長はビデオによる監視下にあったのか

 「区域には部分的にビデオ監視カメラが設置されている部分があるが、その内容についてはまだ承知していない。また、房内部までカメラの範囲は届いていないだろう」

 −−元社長は収監の際、心理面のチェックも受けたのか

 「いくつかの質問には答えている。もっとも、完全な心理評価ではない」

 −−遺書は

 「現時点では承知していない。一見したところはそういったものは見あたらなかったが、一帯は依然、現場保存されており、鑑識作業が続行中だ。もし、遺書めいたものが発見されれば発表する」

 −−元社長が自殺を図る前、何か変わった点は見受けられたか

 「ジャクソン捜査官が移送直後の会見で述べたように、極めて協力的だった。不審な点はまったくなかった」

 −−元社長との最後の面会者はだれか

 「記録には残っているが、その内容については現時点では承知していない」

 −−今後はどのような作業が行われるのか

 「現時点では検視官のところに遺体があり、検視が行われる。そこで最終的に死因が確定する。(三浦元社長の死に関する)捜査は、独立した捜査班によって行われる」

 −−ジャクソン捜査官の反応は

 (ジャクソン捜査官は答えず)「彼に感想を求めるのは時期尚早だと思う。私が彼と昨夜話したときは、彼はショックを受け、憔悴(しょうすい)しきっていた。今回の事態は、だれもが全く予想しなかったことだ」

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