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2008年10月12日(日) 14時13分

【野口みずき会見 一問一答】1秒でも自己記録更新したい産経新聞

 北京五輪女子マラソンを左太もも肉離れで欠場したアテネ五輪金メダリストの野口みずき(シスメックス)が12日、新潟県佐渡市でのランニング教室開催前に会見し、改めて4年後のロンドン五輪を目指すことを表明した。すでに10日に軽いジョギングは始めたが、まだ本格的な練習の再開は未定の状態で、復帰レースについて藤田信之監督は「通常の練習が出来ないと次のことは考えられない」とし、予選会を経ねばならない来夏の世界選手権出場は難しいとの認識を示した。その上で「来年の8月以降、それなりの記録の出るところで挑戦させた方がいいのではないか、と思っている」と語り、マラソンは早くて来年9月のベルリンマラソンになる見込みだ。

 野口の会見での主な一問一答は次の通り。

 −−ロンドン五輪を目指すことを藤田監督に伝えたか。またいまの状態は?

 「これまでちょこちょことは言っていたが、正式には言っていないので、(ここで藤田監督に)ロンドンまでよろしくお願いします。故障してすぐのときも痛いのに走ったりしてズルズルと(完治せずに)来ている。まだランニングと言えるほどは出来ていない。ウォークとか、苦手な水泳とかをやってきた。ただ筋力も戻ってきて、(両脚も)左右対称になってきているので、戻していきたい。(故障した左太ももの)痛みもなくなってきている」

 −−今回の故障は、いままでと違ったか?

 「痛めたところが、いままでと違ったので、これまで以上に歯がゆかった。いままでなら走りながらでも治していけたけど、初めてのところで、目指していたのがオリンピックでもあり、ショックは大きかった。監督や広瀬(永和)コーチから休めと言われてもちょっとすると、走りたくて…。毎朝する歯磨きと同じ感覚で走ってきたので、走れないのはもやもやだった。ただ筋力を鍛えたりとか、足りないところを見つけたりとかも出来て、(走れない分)違う形ではやっていた。心肺機能と筋力が落ちることが怖かった」

 −−次のレースの予定は?

 「いまの状態だと分からない。どれだけ戻せるか、をいまのところ目標にしていきたい。痛みなく走れるようになれば、(力を)戻すのは早いと思うので、焦らずにやっていきたい。体重はあまり変わっていない。運動量が少ない分、食事とかもコントロールしています」

 −−北京五輪女子マラソンのレースは見たか

 「見ました。前評判というか、アテネ五輪銅メダルのカスター選手(米国)とか、有望な選手もリタイヤしていて、やっぱりオリンピックは難しいと感じた。自分が万全で出ていてもどうだったか。今回は止めておけということだったのか、とプラスにも考えたり、複雑な思いで見ました。(レースに向けては)内面的な自分の気持ちをコントロールすることが大切とも思いました」

 −−ロンドン五輪は34歳で迎えることになるが

 「40歳近い選手がオリンピックで優勝したりしているし、走り込めば、走り込むほど、マラソンは面白くなると思っているので、年齢はあまり気にしていない。ただいままで以上に体の状態を監督やコーチに報告してやっていかないといけないとは思っている。4年後はスピード化してくると思うので、トラックの五千、一万メートルでも1秒でも自己記録を伸ばすことを頭に置いて、さらに持久力もつけていきたい」

 −−改めて五輪を欠場したときの気持ちは

 「悔しいという思いが一番大きかった。監督も広瀬コーチも悔しかったと思うが、監督、コーチの(欠場の)判断は正しかったと痛感している。いまは客観的にみて出るべきではなかったと思える。でも選手としては出場したかった。だが、出場してもすぐにリタイヤし兼ねない状態だったので、選手生命を考えれば、良かったのかな、と思っています。余裕を持って走っていいというときに、(五輪本番を考えて)ガンガン追い込んでしまった。それが疲労として左脚にたまってしまったんだと思う。監督と広瀬コーチは悪くないです」

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081012-00000520-san-spo