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2008年10月11日(土) 14時50分

新品格安台湾パソコン(ウイルス感染済み)→自主回収中読売新聞

 小型格安パソコン(PC)で人気を集める台湾のPCメーカー「ASUSTeK Computer(アスーステック コンピューター)」が今月発売したデスクトップPCに出荷前から、コンピューター・ウイルスが混入していたことがわかった。

 日本向けには4500台が出荷され、全国の量販店で約300台が販売されており、同社で自主回収を始めた。出荷時点でPC本体のウイルス感染が判明したのは日本では初めてで、格安を売り物にしたメーカー側の製品管理のあり方が問われそうだ。

 ウイルスが混入していたのは「Eee Box」。想定価格は本体だけで4万4800円、液晶モニターとあわせても6万4800円で、今年7月から香港、台湾、イタリアなど世界で約2万台を出荷。日本では今月2日から発売された。

 しかし、発売直後に、購入者から「画面で文字化けが起こる」との問い合わせがあり、同社が調査したところ、出荷前の製品のハードディスクドライブ(HDD)からウイルスが検出された。同社によると、このウイルスは、PCにHDDやUSBメモリーを接続すると乗り移り、他のパソコンにも感染するワーム型。PCの動作が遅くなる恐れや、ネットから有害なプログラムをダウンロードする可能性があるという。

 今年8月、中国広東省の自社工場で、日本向けの製品に組み込むソフトウエアを検査する際、検査用に挿入したファイルがウイルスに感染していた。検査用ファイルは事前にウイルスチェックをしたが、検出できなかったという。

 同社では、検査用ファイルを移し替える際に使ったUSBメモリーが感染源になったとみている。検査用ファイルは日本語版専用で、感染したのは日本向けのPCだけだった。

 同社は発売開始翌日の3日、この事実をウェブサイトで公表し、量販店などを通じ、購入者に製品の交換や返金を開始。「二度とこのようなことが起きないようにしたい」(広報担当)としている。

 同社は1990年に台湾で設立され、一昨年11月からノートPC分野で日本市場に参入した。今年1月から発売した小型ノートPCがヒットし、国内では9月末までに50万台を出荷している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000022-yom-soci