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2008年10月11日(土) 13時39分

北朝鮮へのテロ支援国家指定、米政府が11日に解除する方針を決定産経新聞

 【ワシントン=有元隆志】米政府は11日に北朝鮮に対するテロ支援国家指定を解除する方針を決めた。AP通信など複数の米メディアが10日に伝えた。北朝鮮の核施設への検証問題をめぐって北朝鮮側と基本合意に達した見返りとして北朝鮮の求めに応じた。あくまで暫定的な措置で、北朝鮮が検証作業に応じないときは再び指定するとしている。日本政府は「合意案にはさらに確認すべき点がある」(中曽根弘文外相)として、慎重に判断するよう求めたが、北朝鮮との合意履行を優先した格好だ。

 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は今月初めに平壌を訪れ、北朝鮮側と基本合意に達した。その後、米政府内の調整をへてブッシュ大統領が10日に最終的に解除を決断した。

 米政府関係者は、北朝鮮側が寧辺以外の核施設に対する検証も受け入れたとしているが、合意の詳細は明らかにされていない。

 米政府は指定解除発効期限の8月11日を過ぎても、検証をめぐって合意ができていないとして解除を見送ってきた。北朝鮮は米側に揺さぶりをかけるため、寧辺の核施設への国際原子力機関(IAEA)要員の立ち入りを禁止したほか、核実験に向けた準備ともとれる行動をとっていた。

 米政府高官が米ABCテレビに語ったところによると、過去2週間に撮影された人工衛星の画像では、核実験場と疑われる場所で大型ケーブルの移動など、2006年10月の核実験前と似たような活動が行われているという。

 ボルトン前国連大使ら対北朝鮮強硬派は政権の対応を強く批判している。

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【主張】北の核検証 容認できぬテロ指定解除

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000527-san-int