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2008年10月11日(土) 13時19分

ビッグ3が2に? GMとクライスラーが合併交渉 米紙産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】11日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)と大手クライスラーが合併に向けて協議を続けていると報じた。金融危機と景気低迷の影響で販売不振と資金繰り難に悩むGMが、合併によって生き残りを目指すもので、実現すれば、フォード・モーターと合わせて「ビッグスリー」と呼ばれる米自動車3大メーカーが2社に集約され、市場の勢力図を大きく変えることになる。

 同紙によると、協議は予備的段階のもので、GMとクライスラーの親会社の投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントとの間で、1カ月前から開始した。上級役員を含めた協議が数回開かれ、結果が出るまでに数週間かかる見通しで、交渉に近い筋は同紙に対し、実現の確率は「5分5分」と語った。

 サーベラスはGMと並行して、日産自動車・仏ルノーとも協議を続けているという。

 GMとクライスラーは、主力であるSUV(スポーツ用多目的車)や小型トラックの販売がガソリン高や景気低迷の影響で急落。特にGMは株価急落や格付けの格下げが続くうえに、拡大する金融危機の影響で、資金繰りが急速に悪化。市場では「破産法適用申請」の観測が流れ、同社が否定のコメントを発表するなど経営不安が広がっている。

 クライスラーとの合併が実現すれば、米市場で約35%のシェアとなり、2位のトヨタ自動車を引き離すことになる。ただし、共通の経営課題を抱える両社の合併には「巨大なリスク」(同紙)も指摘され、協議の行方は流動的とみられる。

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