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2008年10月11日(土) 12時03分

枚方談合で起訴の中司・元市長「かかわっていない」 産経新聞の単独取材に産経新聞

 大阪府枚方市発注の清掃工場建設工事をめぐり、競売入札妨害(談合)罪に問われている元市長、中司宏被告(52)は10日、産経新聞の取材に応じ、今月21日に大阪地裁で開かれる初公判で「談合には一切かかわっていない」と主張する方針を語った。

 中司被告は昨年7月末に大阪地検特捜部に逮捕された後、罪状を認めた。しかし、公判では「厳しい取り調べの圧力で追い詰められ、供述調書に署名させられた」として検察側と全面対決する意向という。中司被告が逮捕後、報道機関に事件について釈明するのは初めて。

 ただこれまでに、談合で工事を受注した大林組の元顧問2人が、検察側の主張に沿って中司被告の了承を得たと供述して有罪が確定。市側と大林組との仲介役とされる元府警警部補、平原幸史郎被告(49)=談合、収賄の罪で1、2審有罪、上告=も中司被告の公判に出廷、市トップの関与を証言する予定で、検察側は「官製談合」の構図に自信を深めている。

 中司被告は、清掃工場建設工事の実務トップだった元副市長の小堀隆恒被告(62)=談合罪で公判中=、元府議の初田豊三郎被告(50)=談合、収賄の罪で公判中=、平原被告、大林組元顧問らと共謀、平成17年11月の入札で大林組などの共同企業体が落札できるよう談合した−として逮捕、起訴された。

 中司被告は取材の中で、起訴事実について「大林組に受注調整を要請しておらず、談合を了承もしていない」と否定。

 検察側が、中司被告の「天の声」があったと指摘する11年末の大林組元顧問らとの会合に関しても「受注調整を依頼するためではない。元市議がかかわる別の談合の件で大林組と意見交換するのが目的だった。清掃工場の話は雑談で出ただけで、天の声は出していない」と強調した。

 平原被告が中司、初田両被告から大林組の受注に向けた協力を求められたと供述している点については「元市議による談合を防止するため、捜査のプロである平原被告に相談した。事実と異なる証言にショックを受けている」と反論。入札後に大林組から平原、初田両被告に現金が渡っていたことに言及し、「全く知らなかった。それぞれが思惑を持って動いていたと思わざるを得ない」と自らの潔白を主張した。

 中司被告は捜査段階で供述が揺れ動き、起訴直前に罪状を認めた。この点について「検察官に何を言っても受け入れてもらえず、抵抗できない状況で自暴自棄になっていた。天の声も認めていないが、(署名した)調書でそう読み取れるようになっていた。今となっては残念で悔しい」と述べた。公判で調書の任意性を争うという。

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