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2008年10月11日(土) 06時03分

三浦元社長VIP待遇で27年ぶりのロス入りスポーツ報知

ロサンゼルス空港に到着し移送される三浦和義容疑者。左はロス市警のリック・ジャクソン捜査官(代表撮影・共同)

 米ロサンゼルスで1981年に起きた銃撃事件で、今年2月にサイパンで逮捕、拘置されていた元会社社長・三浦和義容疑者(61)=日本では無罪確定=が10日午前5時(日本時間同日午後9時)前、移送先のロスに到着した。27年ぶりの再訪となるが、収容先とみられる拘置所には、備え付け電話やテレビ付きの娯楽室などの設備があることが判明。意外な「VIP」待遇を受けながら三浦元社長は、審理に向けた本格的な司法手続きに臨むことになる。

 サイパンから飛行機を乗り継いで約20時間。因縁の地に到着した三浦元社長は、ロス市警の捜査官らに付き添われ機外に出た。紺色のジャケットとジーンズ、黒のキャップというカジュアルないでたち。午前5時の暗がりの中、手錠をかけられたままタラップを下り捜査車両へ乗り込んだ。表情はほとんど変わらず、一切口は開かなかった。

 移送中の機内でも「コメントはしません」。食事をしたり読書をするなど落ち着いた様子。周囲の一般客は何度も取材を試みる報道陣に「いいかげんにしてくれ」と怒り出す一幕もあった。

 27年ぶりのロス。容疑者としての再訪となったが、現地での収容先は意外なほど「VIP」仕様のようだ。ロス郡が運営する未決囚拘置所の典型的な1人用の房は広さ約10平方メートル。所内ではテレビ付きの娯楽室を使用することが出来、1日1時間程度使用が許されている共同シャワーも完備されている。運動の時間もあるという。

 携帯電話は使用禁止となっているが、備え付けの電話を使うことは可能だ。日本では拘置所からの電話は弁護士あてに限り、昨年認められたばかり。弁護士も電話を受けるには指定された検察庁に足を運び、決まった電話を取らなければならないのに比べ、自由度が高い。

 しかし設備面が充実している反面、食事はかなり質素のようだ。食パンにピーナツバターなどの米国流「臭い飯」で、1日の食費は1人当たり2・5ドル(約250円)。日本の1人平均500円前後に比べるとかなり抑えられている。

 ロス郡には大きく分けて6つの拘置施設がある。自由主義社会最大の収容人数6800人を誇る「中央男性拘置所」、セレブタレントのパリス・ヒルトンら著名人の収容でも知られる「ツインタワーズ」などで構成。有罪判決を受けた受刑者が入る刑務所に比べ、警備や設備は簡素だが、宗教、薬物依存脱却のプログラムも提供している。

 2月の身柄拘束直後から「ツインタワーズ」への収容が有力視されているが、まだどの拘置所に入るかは不明だ。

 三浦元社長は、到着後いったん、ロス市警本部の留置場に入り、罪状認否のため14日午後(日本時間15日午前)にロス郡地裁に出廷する。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081011-OHT1T00069.htm