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2008年10月10日(金) 14時13分

三浦容疑者サイパンを出発 今夜、ロサンゼルス入り中国新聞

 【サイパン(米自治領)10日共同=吉田昌樹】一九八一年の米ロサンゼルス銃撃事件で今年二月にサイパンで逮捕、拘置されていた元会社社長三浦和義みうら・かずよし容疑者(61)=日本では無罪確定=の移送が十日未明(日本時間同)始まり、ロスに向けサイパンを出発した。

 移送には民間航空便が使われ、グアム、ハワイを経由し、ロスに現地十日午前五時(日本時間同日午後九時)ごろ到着する予定。発生から約二十七年、事件をめぐる司法手続きは、現場となったロスで本格化する。

 三浦元社長はロス市警の留置場に入り、罪状認否のため十四日午後(日本時間十五日午前)にロス郡地裁に出廷する。

 元社長はロス市警の捜査員やサイパンの検察当局者ら数十人に取り囲まれながら、空港の滑走路面を歩いてグアム行きの民間航空機に搭乗。機内では、同乗した報道陣の問い掛けには一切応じず、付き添いのロス市警捜査官と短く言葉を交わした以外は、目を閉じて無言のままだった。

 三浦元社長は日本からサイパンを訪問した二月二十二日、逮捕された。移送を拒否し人身保護請求を申し立てたが、サイパンの地裁は九月、請求を棄却。

 その後、ロス郡地裁が元社長に対する逮捕状の容疑のうち、妻一美かずみさん=当時(28)=の殺人は無効としたが、殺人の共謀は有効と決定。これを受けて元社長は移送に同意した。ロスでも、日本で無罪が確定していることなどを軸とした主張で釈放を求める方針とみられる。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810100126.html