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2008年10月10日(金) 14時00分

秋葉原無差別殺傷事件の加藤容疑者を起訴読売新聞

 7人が死亡、10人が負傷した今年6月の東京・秋葉原での無差別殺傷事件で、東京地検は10日、元派遣社員・加藤智大(ともひろ)容疑者(26)を殺人や殺人未遂、公務執行妨害などの罪で東京地裁に起訴した。

 同地検は3か月間の精神鑑定で、加藤容疑者は事件当時も現時点でも、精神疾患や人格障害でないことが確認できたとして、完全な責任能力があったと判断。動機は、携帯サイトの掲示板で自分の書き込みを無視され、不満や怒りを募らせたことだったとみている。

 今後の裁判は公判前整理手続きが適用され、早いペースで進むとみられる。

 加藤容疑者は警視庁の調べに、「両親に捨てられたと感じた」などと生い立ちや境遇への不満を語り、こうした不満を携帯サイトに書き込んでも反応がほとんどなかったため、「ネットでも無視されたと感じた。無視した人たちを見返したかった」と供述した。同地検でも、この供述を重視し、「もともと生きがいのなさを感じ、孤立感を深めていた加藤容疑者が唯一の不満のはけ口だった携帯サイトでも無視されたことに怒り、事件を引き起こした」と判断した。

 同地検は7月、加藤容疑者の責任能力が公判の争点になる可能性があるとして東京地裁に鑑定留置を請求。医師が今月6日まで鑑定にあたっていた。

 起訴状では、加藤容疑者は6月8日、東京・秋葉原の交差点で、歩行者をトラックではねた後、ダガーナイフで通行人らを刺し、7人を殺害、10人にけがをさせた、としている。加藤容疑者は大筋で起訴事実を認めており、遺族や被害者らへの謝罪の言葉も述べているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081010-00000029-yom-soci