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2008年10月10日(金) 16時10分

元検事が接見水増し 被疑者国選弁護 34万円過大請求産経新聞

 起訴前の容疑者段階の強引な取り調べを防ぐ目的で導入された「被疑者国選弁護制度」を悪用し、元検事で岡山弁護士会所属の黒瀬文平弁護士(67)が容疑者との接見回数を水増しして報酬計約34万円を日本司法支援センター(法テラス)に過大請求していたことが10日、分かった。

 法テラスによると、平成18年の制度開始以来、過大請求の発覚は初めて。森英介法相は10日の閣議後会見で「(現行の国選弁護報酬支払い手続きは)あまりにも性善説に基づいているような感じがする」と、手続きについて何らかの検討をする必要があるとの考えを示した。

 岡山弁護士会によると、黒瀬弁護士は昨年3月〜今年5月、受任した7事件の報酬請求の際に実際には24回だった接見回数を47回と水増しして請求。不当に報酬を受け取っていた。

 同弁護士会は今月8日、黒瀬弁護士の国選弁護士への推薦を停止。法テラスは「国費で賄われている国選弁護で過大請求があったことは遺憾」として、刑事告訴も検討している。黒瀬弁護士は「誤りがあったことは認めるが、故意ではない」と話しているという。

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