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2008年10月10日(金) 23時30分

<映画「天皇伝説」>上映の施設使用許可取り消しの効力停止毎日新聞

 天皇家を批判する映画「天皇伝説」を自主上映するための施設使用許可を横浜市中区が取り消したのに対し横浜地裁は10日、取り消しの効力停止を決定した。北沢章功裁判長は「取り消さなければ、施設や近隣で混乱を防げないなどの特別な事情はない」と指摘、許可を取り消された映画監督の渡辺文樹氏の申し立てを認めた。

 決定によると中区は渡辺氏に10月14、16日の市開港記念会館の使用許可を9月に出したが「過去にポスターの不法掲示があった」として10月1日に取り消した。渡辺氏は許可を求めて提訴、併せて判決確定まで取り消し処分の効力を停止するよう申し立てた。

 市側は「上映反対派の街頭宣伝で会館利用者や近隣に迷惑がかかる」と主張したが、北沢裁判長は「公共の福祉に対する重大な影響とまでは言えない」と退け「表現の自由も考慮すると、上映中止により事後的な賠償では償い切れない損害が発生する」と述べた。

 「天皇伝説」は「現天皇は昭和天皇の子供でない」などと訴える内容。映画の宣伝ポスターを無許可で張ったとして、渡辺氏は軽犯罪法違反容疑で9月に警視庁に逮捕された。渡辺氏は90年に日本映画監督協会新人賞(奨励賞)を受けている。【池田知広】

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