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2008年10月10日(金) 17時02分

世界株安、個人も直撃=投信離れ加速に警戒感も時事通信

 世界的な株安や円高を背景に、公募投資信託の基準価額も下落基調をたどっている。多様な資産を組み入れることでリスク分散できる投信は、「貯蓄から投資へ」の流れに乗って人気を集めてきたが、運用成績の悪化による資産の目減りは個人投資家も直撃しそうだ。
 米大手証券リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)などで金融不安が一段と強まった9月、国際投信投資顧問が運用し、純資産残高で国内最大の「グローバル・ソブリン・オープン」の基準価額は月間で5.7%下落。業界最大手の野村アセットマネジメントが運用する「マイストーリー分配型」も8.0%値下がりするなど、大型といわれる残高1000億円超のファンドは軒並み低調で、この傾向は現在も続いている。
 個人投資家は歯止めの掛からない株安に不安を募らせており、解約や購入手控えも目立つ。国内外の株式で運用する株式型投信からの資金流出が続いているほか、安全資産とされる債券を中心に投資する「バランス型」も販売額が減少。バランス型の代表格、グローバル・ソブリンの9月の資金流入額は8月の3割以下にとどまったもようだ。
 金融不安は深まるばかりで、「今は現金保有が最良の選択」(準大手証券)という。投信運用各社は「投信離れが今後一段と進む」(外資系運用会社)とみており、「投資から貯蓄へ」という資金の逆流を警戒。公募株式投信は2003年8月以降の5年間、購入額から解約・償還を差し引いた資金流入額の「流入超」が継続しているが、9月は「流出超」に転じる可能性が高い。 

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