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2008年10月10日(金) 16時25分

東京株式市場・大引け=大幅続落、日経平均はバブル後安値意識もロイター

日経平均 日経平均先物12月限 
終値  8276.43 (-881.06) 終値   8020 (-1180)
寄り付き 9016.34 寄り付き  8200
安値/高値 8115.41─9016.34 高値/安値  7840─8470
出来高(万株) 327441 出来高(単位) 222828
[東京 10日 ロイター] 東京株式市場では、日経平均が大幅続落。下げ幅は一時1000円を超え、先物にはサーキットブレーカーが発動された。欧米の金融危機に対する政策対応が後手に回っていることで市場が疑心暗鬼になっているほか、大和生命の破たんで日本にも危機が波及するとの懸念が広がった。ただ、後場に入ると目前に迫った7カ国財務相・中欧銀行総裁会議(G7)のイベントリスクも意識され、下値では買い戻しも入って下げ渋った。しかし下げ止まり感は薄く、市場では2003年4月のバブル後安値を意識する声が広がっている。
 東証1部の騰落は値上がり175銘柄に対し値下がり1499銘柄、変わらずが40銘柄だった。
 欧米当局の金融危機への対応が後手に回っていることに世界の株式市場は苛立ちを強めており、下げに拍車がかかってきた。米国株には下げ止まる兆しがみえず9日には8500ドル台まで急落。日経平均の下げ幅も一時は1000円を超えた。先物にはサーキットブレーカーが発動され、日経平均先物12月限は7840円まで売り込まれる場面もあった。日経平均のバブル後安値は2003年4月の7607.88円(終値ベース)。市場にはこの水準を意識する向きが増えている。
 米国は金融機関に対する公的資金注入に柔軟な姿勢をみせ、米ウォールストリート・ジャーナル電子版は10日、米政府が金融市場対策として、銀行債務の保証と米銀行預金の一時的な全額保護を検討していると報じた。しかし、疑心暗鬼に陥っている市場の反応は乏しく「事態がここまで悪化してしまうと、具体的なアクションがなければ信用しない。必要なのは米欧協調による金融機関への強制注入だ」(準大手証券)との声も出ている。国内でも、9日のニューシティ・レジデンス投資法人<8965.T>に続いてきょうは大和生命が破たん。「海外の金融危機が日本にも及んできた」(別の準大手証券)と警戒する声が出ている。
 きょうは10月限オプションSQにあたるが「海外勢は値段に構わず現金化を急いでいる。ポジションを圧縮して現金化するためにSQで売りを膨らませたようだ」(国内証券)との声が聞かれ、SQにからむ売りも下げを加速した。大証によると、10月限日経平均オプションのSQは7992円60銭に決まった。
 後場に入ると売りが一服。下値不安は変わらないものの「市場に追い込まれたG7が踏み込んだ対策を出さないとも限らない。3連休をはさむリスクもある」(別の準大手証券)との見方から下値にはポジション調整の買い戻しも入って下げ渋った。個別株でも、前引け段階では日経平均の構成銘柄がすべて値下がりする全面安だったが、後場にはコマツ<6301.T>や三菱商事<8058.T>など切り返すものがでてきた。
 (ロイター日本語ニュース 松平陽子)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081010-00000424-reu-bus_all