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2008年10月10日(金) 12時04分

『BlackBerry Storm』が開く、スマートフォンの新展開japan.internet.com

タッチスクリーンがスマートフォン市場にとてつもなく大きな影響を与えていることは間違いない。タッチパネルを採用し指で操作する Apple の『iPhone』は、競争の激しいスマートフォン業界を激しく揺さぶり、従来の小さく、タッチ操作非対応のスクリーンを刷新するとともに、キーボードからアプリケーションに至るあらゆる要素において、端末の技術革新を加速させている。

そして今、同じような現象が再び起きる可能性が浮上している。しかも、今回の方がさらに激しいかもしれない。8日に発表された Research in Motion (RIM) の『BlackBerry Storm 9730』に搭載された「クリック テクノロジー」採用のタッチスクリーンは、Apple の画期的なデザインよりさらに進んだものとみられているからだ。ある業界ウオッチャーによると、Apple と同じように、RIM も開発にじっくりと時間をかけ、最初から市場の動向を良く把握した上で発売する方針をとっており、これにより Apple をしのぐ売れ行きを示す可能性もあるという。

以上のような見解を示したのは IDC のアナリスト、Ryan Reith 氏だ。同氏は取材に対し、RIM は Apple と同様、ユーザーのことをよく分かっていると語っている。RIM が8日に正式発表した Storm 9730 を最強の「iPhone キラー」と呼ぶ市場ウオッチャーは既に多数にのぼるが、Reith 氏はこの2つのスマートフォンが、この市場でかなりのシェアを獲得するだろうとみている。

同氏は「スマートフォンはどれもそう大きな違いはないが、この2機種においては、タッチスクリーンが比較のポイントになる。Apple と RIM は、どちらもじっくりと開発を進めてきたが、そのビジョンやアプローチは異なっている」と指摘した。

Reith 氏によると、Apple のビジョンは、簡単で楽しめるマルチメディア体験の提供にあるという。iPhone のマルチタッチ ユーザー インターフェースでは、1度タップすると、アプリケーションが開き、各機能にアクセスできる。長押しすると、アプリケーションのリセットやアイコンの移動が可能になる。さらに、フリック (指で画面をはじく) 操作で音楽ファイル、写真、Eメール、Web サイトをブラウズできる。文字の入力では、操作中にキーボードをタップすれば、文字が大きくなり、ミスタイプを減らせる。

一方、RIM の新しいタッチスクリーンは、現行の BlackBerry のキーボードに外観、感触ともに似ていて、画面上のボタンに触れると「クリック」感もある。Reith 氏の説明によると、これによってこれまでと同様の感覚で使用できるという。また、8日の報道では、iPhone よりも入力の精度が「優れて」おり、メーカーの RIM が消費者市場に進出するうえで「同社の製品の良さを大いに活用している」と指摘する専門家もいた。

報道関係者用の資料には、入力時、Storm 9730 のタッチスクリーンは「ほんのわずかだけ」へこむとの記述がある。これにより、ボタン式のキーボードと同様のかすかな「クリック」感が得られるという。また、ナビゲーション機能を使う時には、スクリーンをタップし、スライドすればいい。

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