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2008年10月10日(金) 15時04分

【台湾】ノート PC 生産大手の9月決算出揃う、Inventec と Wistron が好調japan.internet.com

ノート PC の ODM 企業各社が9月の業績発表を行った。この内、クアンタは既報の通り、出荷量は8月から上昇したが、低価格 Netbook の出荷比率が高まったことで売上高はマイナス成長となっている。同社9月の連結売上高は615億3,000万 NT ドルで、昨年同月比でマイナス22.63%となった。

● Quanta Computer(クアンタ=広達電脳)

クアンタの9月出荷量は330万台で、8月の310万台から6.45%上昇した。しかし売上高の上昇率はわずか0.3%の上昇に止まっている。これは低価格 Netbook の出荷量が増えてきたことと関係している。なお、同社の今年1〜9月の累計売上高は5,906億7,000万 NT ドルとなり、昨年の同期間と比べて13.4%上昇している。

クアンタの9月業績で注目すべきは、連結売上高と非連結売上高それぞれでマイナス22.63%とマイナス23.92%となったことだ。同社は Acer や Lenovo 向けの低価格 Netbook の出荷によって台数は増えたが、価格が一般的なノート PC の半額程度の Netbook の生産比率が上がり始めたことによって、売上高成長にブレーキが掛かり始めている。

● Wistron(ウィストロン=偉創)

一方、Netbook の生産を未だに行っていない Wistron(偉創)の業績は好調で、売上高498億1,200万 NT ドルを達成し、前月比44.46%、年間成長率は67.79%という非常に高い成績となった。同社の今年1〜9月の累計連結売上高も3,006億4,200万 NT ドルで、昨年同期比58.22%の成長となっている。

● Inventec(インベンテック=英業達)

また、好調が続く Inventec の業績も継続して上昇し、9月の売上高は405億1,100万 NT ドルで、8月比11.43%成長、昨年同期比では75.75%成長を達成している。Inventec の高成長は主に東芝向けコンシューマー機種の生産が増えていることもその一因だ。

Inventec の今年1〜9月の累計連結売上高は2,452億1,900万 NT ドルとなり、前月比11.43%、昨年同期比で51.35%の高い成長率となっている。しかし同社の利益率も最低レベルからの脱出が困難で、受託生産料のわずかな値上げも原材料と労働コストの上昇によって相殺されているという。同社によると今年下半期の利益率は5%に満たないと予想している。

記事提供:EMS One

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