記事登録
2008年10月10日(金) 14時53分

【台湾】フォックスコンの9月業績、過去最高を更新japan.internet.com

世界的に不景気が広がり消費者の購買意欲が益々落ち込んでいる中、台湾系 EMS/ODM 各社は何れも好成績を記録している。中でも、FOXCONN(フォックスコン=鴻海)、コンパル(Compal=仁宝)、ASUSTeK、WISTRON(ウィストロン=緯創)、INVENTEC(インベンテック=英業達)の9月業績は各社ともに過去最高の売上を記録した。

また、台湾の PC メーカー最大手エイサー(Acer=宏碁)も史上最高の出荷台数を記録し、鴻準精密(FOXCONN Technology)やデジタルディスプレイ事業部門の売上高を除いた Lite-On Technology(光宝科)等の売上高も過去最高記録を塗り替えた。

市場ではフォックスコンの成長神話に翳りが見えるとし、9月業績についても保守的な見方を示す関係者が多かった。しかし同社が昨日(9日)発表した9月の非連結売上高は 1,573億7,200万 NT ドルに達して前月から9.61%の成長を達成、1,500億 NT ドルの大台を突破して昨年12月に記録した過去最高の1,493億2,000万 NT ドルを更新した。

フォックスコンの今年1〜9月の累計売上高は1兆466億1,300万 NT ドル(約3兆1,870億円)となり、1兆 NT ドル越えを昨年より2か月早く達成している。

フォックスコンのスポークスマンである丁祈安氏は9月の業績について、「コンシューマー向け電子製品、コミュニケーション製品およびコンピューターを含む 3C 製品の出荷量がある程度成長し9月の売上高が継続して成長した」と指摘した。また、第4四半期の業績見通しについて同氏は、フォックスコン会長である郭台銘氏が語った「世界景気は目まぐるしい変化の中にある」との言葉を引用し、引き続き努力していくと強調している。
 
● フォックスコンの10月売上高、1,600億 NT ドルに挑戦

フォックスコン関係者は、「フォックスコンが生産を請け負っている iPhone、PS3 の生産が好調だが、もちろんそれも限りがある。しかし液晶テレビ、サーバー製品の出荷が9月から上昇し始め10月にも1,600億 NT ドルの大台を突破する可能性がある。11月の売上高は若干下落するかもしれないが12月に再度今年の最高値を達成できるかどうかは景気動向が鍵になる」と指摘した。

フォックスコンの9、10月の売上動向は、欧米のクリスマスシーズン向けの先行指標と見られ、また、12月の売上高は中国を含むアジア市場の元旦、旧正月の指標と見ることが出来るだろう。しかし世界景気は10月に入ってから急速に悪化し始めており、これから年末までの3か月間の動向は注意をもって見守る必要がある。

記事提供:EMS One

【関連記事】
蔓延する市場の不透明感、不況の今だからこそ考える生産アウトソーシング
Netbook・低価格ノート PC 生産、利益拡大に繋がらず
【台湾】RIM、3G「BlackBerry Storm」発売で台湾サプライヤーの業績拡大へ
【台湾】Netbook 市場の成長と ODM 企業のプレッシャー
第2四半期の全世界 PC 出荷量14.5%成長—iSuppli が発表

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081010-00000018-inet-inet