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2008年10月10日(金) 14時53分

HSBC が Nortel の UC を採用japan.internet.com

Nortel は2008年10月2日、金融・銀行のグループ企業である HSBC がロンドン本社で Nortel の UC(Unified Communication)ソリューションを採用し、国際的な展開も視野に入れた実地試験を開始したと発表した。

今回の HSBC による Nortel の UC ソリューションの導入は、HSBC の世界規模でのコラボレーションを支援し、銀行業務の速度と効率性の向上を目的としたもの。当初はロンドンの約1,000人の幹部スタッフを対象とし、その後、北アメリカ、ヨーロッパ、ラテンアメリカにおける HSBC のグローバルな営業地域にわたる5万人以上のユーザーへ拡大していく予定だ。

HSBC は、UC 製品としての完成度の高さ、音声およびビデオを統合したクロスプラットフォームとしての能力、既存の広範な HSBC アプリケーションシステムに UC を導入できる能力を備えていることから、Nortel を選択した。

また、今回のソリューション導入にあたり、ホットデスキング(机などを複数で共有する)、在宅勤務、出張などに代表される HSBC 幹部のモビリティを確保するために、共通のコミュニケーション環境を提供することが求められていた。Nortel は、ニーズに応える UC 環境を SOA と Web サービスを活用した Nortel Agile Communication Environment(ACE)を適用し、構築した。

同社では、今後「dial-by-name(名前によるダイヤル)」、「click to video(ワンクリックでビデオ通話)」、「click to conference(ワンクリックによる会議参加)」など、デスクトップ、ラップトップ、BlackBerry 端末、および携帯電話からアクセス可能な機能を導入し、既存の HSBC ビジネスプロセスとサポートプロセスを拡張していく予定だ。

同社の日本法人であるノーテルは国内市場でも「エンタープライズの変革」「次世代のモビリティとコンバージェンス」「サービスとソリューション」などを戦略目標にかかげ、HSBC に提供するようなソリューションビジネスへ大きく転換しようとしている。

同社のエンタープライズ分野ビジネスは、ハードウェア中心だった。2008年8月に代表取締役に就任した Ray Teske 氏は、これをソリューション事業を強化したいとした上で、グリーン IT などを目標に掲げる。キャリア向け分野でも、これまでにノーテルが主に提供してきた Voice over IP からキャリアアプリケーションにシフト。ビジネスプロセスを改善するコミュニケーションや、バーチャルワーキングの提供を目標に掲げて改革を進める。

また、同氏は、T-Mobile や Verizon と連携した LTE  普及の推進を含めた新たなモデルで日本国内でも事業を推進するとしている。

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