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2008年10月09日(木) 13時02分

臓器移植:米で手術受け死亡した宗太郎君の遺骨、母親に抱かれ帰国 /千葉毎日新聞

 ◇「最後までよく頑張った」
 生まれつき胃や腸などが機能しない難病「ヒルシュスプルング病類縁疾患」と診断され、米国で臓器移植手術を受け9月29日に亡くなった各務宗太郎君(9)=名古屋市東区=の遺骨が、母優子さん(36)とともにニューヨークから成田国際空港に帰国した。会見した優子さんは「元気な姿で帰ってくることができず申し訳ありません。宗太郎は皆様の応援を喜んでいました。ありがとうございました」と深々と頭を下げ、「頑張り抜いた9年間。宗太郎には『よく頑張ったね』と言ってあげたい」と話した。
 支援団体「そうたろうを救う会」(梶浦祐樹代表)によると、宗太郎君は2月に渡米。3月、フロリダ州のマイアミ大ジャクソン記念病院で、胃、小腸、大腸、肝臓、すい臓の5臓器の移植手術を受けた。7月には「食べるのが夢だった」というハンバーガーを口にしたという。
 主治医が移籍したため8月にニューヨーク市のコロンビア大学医療センターへ転院。小児集中治療室(PICU)での治療が続いた。人工呼吸器を付ける際に優子さんに「ママ。ありがとう。ありがとう」と声をかけ、それが最後の言葉になった。病状は一進一退が続き、9月26日に9回目の誕生日を迎えたが、直後の28日、危篤状態となった。
 救う会は募金活動で約1億9000万円を集めた。治療費などを精算後、余剰金が出た場合には他の移植患者への募金も考えているという。【倉田陶子】

10月9日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081009-00000106-mailo-l12